2007年11月11日日曜日

JDC信託-コンテンツ信託

11月9日終値¥34,000

このJDC信託という会社は一体事業として何をしているのか?

これは正直非常に複雑で難しい。しかしこのコンテンツビジネスというのは昨今非常に注目されており、その中でJDC信託の存在は大きな位置を占めている。

サイト内事業内容の説明のページを設けている。

事業内容としてまさに8ページを割いて説明しているが、核となる、または核にしたい事業は下のコンテンツ信託であろう。
http://www.jdc.jp/work/fund/index.html

信託とは、「自分(委託者)の信頼できる人(受託者)に財産権を引き渡し、一定の目的(信託目的)に従い、ある人(受益者)のために、受託者がその財産(信託財産)を管理・処分する」制度です(社団法人信託協会の定義より)。

要するに、動画などのコンテンツを預かり、マーケティングなどを施すことによって収益をあげる。それらの収益を得る権利を著作者が投資家に売ることによって、著作者は資金調達をする(著作者はその資金で質の高いコンテンツを制作することができる)。また、投資家はそのコンテンツから得られた収益から配当を受け取るというシステムである。



形のないものを対象にした錬金術のようなビジネスモデルとも言える。しかし言い方を換えれば形のないものの価値を創造し、より大きな価値を産み出すことにより社会に新しい価値を産み出しているとも言える。

2007年11月8日木曜日

JDC信託


11月8日終値 ¥36,300


今月はJDC信託を分析する。コンテンツ信託という、新しい先進的な事業を行っている企業である。そのコンテンツ信託という事業内容がわかりにくく、市場では未だ企業価値が未知数に認識されている部分がある。


しかしこのコンテンツという無形知的資産に価値を与えるという考え方には非常に興味がある。市場経済が成熟しつつある昨今、こうした無形の物に価値を与えることが更なる成長、または豊かな健全な社会を築いていくことを可能にするのではないか。


簡単な財務データは


06年3月期


売上 892百万円

経常損失 691百万円

純損失 1660百万円


と未だ利益を出していない企業である。しかも売上金額を超える損失を出している(詳しくは財務分析していくが)。しかしこの売上10億も満たない赤字企業に、今年も一時期100億円を超える市場価格(時価総額)がつけられている(11月8日現在の時価総額は約75億円)。


この得体の知れない新興企業を少し深く分析してみよう。



2007年10月31日水曜日

unicef -ハロウィーン

今月は企業でなかったため、不十分なレポートになってしまったが、unicef は主に世界中の(特に発展途上国の)子供達のためのファンドである。


主な活動として、



  • 教育(貧困地域の子供達に良質な教育を提供する。また女児にも平等に教育の機会を与える。)

  • Immunization (予防接種などにより、伝染病などを防ぐ。)

  • 子供達の保護(児童買春や児童労働、家庭内暴力などから子供を守る。)

  • エイズ(エイズの危険から子供達を守る。)


などが挙げられているが、「貧困地域の子供達がこんなに苦しんでいます」のような内容はHPなどにも書かれているが、具体的にどのような活動をしているか(どのように寄付金を使っているか)というのは正直わかりにくい。本来善意で集めた資金であっても企業のように(企業以上に)詳細な財務諸表を作って公表すべきではないか。


しかしanuaal report に収入の内訳はある程度詳しく公表されている。


06年の寄付金総額が $2,767,849,519 (約3,182億円、115円/ドル)

約3分の2が政府系の寄付金で残りが個人などからの寄付金のようである。


上の金額の内日本からのものが、 $289,339,175 (約332億円、総額比10.5%)

とこれには(金額の多さに)少し驚いた。

政府で$155,399,659 (53.7%)、その他で$133,939,517 となっている。


またさらに驚くべきは 黒柳徹子氏が上の金額とは別に個人名のファンドで

$862,000 (約9千9百万)、と1億円近い金額を寄付している。



さらに来年のannual report には FC Barcelona の寄付金(クラブ総収入の0.7%)も入ってくるだろう。約2億円近い金額になるらしいが、バルセロナほどのビッククラブならばユニフォームのスポンサースポンサースペースは年間(少なくとも)数十億円で売れるのに、それを寄付を払ってまで逆スポンサーをするのだから前代未聞であろう。


何故今月このユニセフを選択したか、というと


Trick-or-Treat UNICEF box


Since 1950 when a group of children in Philadelphia, Pennsylvania donated $17 they received on Halloween to help post-World War II victims, the Trick-or-Treat UNICEF box has become a tradition in North America during the haunting season. These small orange boxes are handed to children at schools and at various locations (such as Hallmark Gold Crown Stores) prior to October 31. To date, the box has collected approximately $91 million dollars (CAD) in Canada and over $132 million (US) in the USA


上のようにユニセフは主に北米で今日のハロウィーンに合わせて50年以上前から子供達による募金活動を行っている。オレンジ色の募金箱をハロウィーン前に子供達に提供するらしいが、今日までカナダとアメリカで約223百万ドル(256億円)を累計で集めている、とのこと。


「真似の得意な日本」と揶揄されてもいい。こういうことは是非積極的に真似して欲しいものだ。


10月31日、ハロウィーンの雰囲気も仮装した子供達もあまり見かけない日本だが、ささやかな募金を unicef に送った。子供の笑顔はお金では買えない、ネット上でボタンを押すだけでできる募金、そんなもので何が変えられるかわからない。でも何かせずにはいられない。みんな思いは同じではないだろうか・・・








2007年10月17日水曜日

unicef - unicef とは②

unicef を調べるにあたって、少しHPがわかりにくかったので、禁じ手とも言うべきウィキペディアを利用してみた・・・



さすがはわかりやすい。


まず気になっていた unicef の頭文字(特に i と e はどこから来たか)は


United Nations International Children's Emergency Fund


これが設立当初の正式名称であり(今は international と emergency は省かれているが)、今でもこの頭文字をとっているらしい。


そして Priority とされている5項目は、


  • Child Survival and Development (子供達の生存と発展)

  • Basic Education and Gender Equality (基本的教育と男女平等)

  • Child protection from violence,exploitation and abuse(家庭内暴力や搾取、虐待からの保護)

  • HIV/AIDS (エイズ)

  • children, and Policy advocacy and partnerships for children’s rights (子供達の権利の尊重)

となっている。特に教育やバクシネーション(伝染病などの予防)などに力を注いでいるようである。





2007年10月11日木曜日

unicef - unicef とは①



unicef とは一体どんな組織なのだろうか?
世界中から寄付金をつのり、慈善事業を行う組織というくらいはわかっていても、その詳細はあまりよく知らない。知られていないと言っても良いのではないだろうか。

ということで調べてみたのだが・・・

とりあえず unicef ホームページの

who we are のページ

our history のページ

を流し読みしてわかったことは

unicef とは

the United Nations Children’s Fund

の略である(i と e の位置づけはいまいちわかりにくいが)。the United Nation だから国連によって産み出された組織である。

また

1946年12月、第2次世界大戦後に発足した組織

であり、昨年60周年を迎えている。もともとは第2次世界大戦後のヨーロッパの子供達の福祉のために組織されたようである(ヨーロッパとは主に東欧や敗戦国のドイツ、イタリアなどだろうか?詳しい記述はないが)


そして今では

世界中の恵まれない子供達に、最低限の教育や医療を提供するための Fund となっている


ということぐらいである。

正直 unicef は営利目的の企業ではないので、公開企業のHPのようにわかりやすい説明というのが、あまりない。もう少し、unicef ホーム以外の他のソースなども含めて調べて見る必要がある。

2007年10月5日金曜日

unicef

今月は企業ではないが(もちろん株価もない)、世界的慈善事業団体、unicef 分析する。
企業でもない、株投資とも関係ないのだが、このような社会的グローバル団体は今後の企業経営において、大きな参考になるはずである。






上のように高度なサイトとともに、アニューアルレポートも公開していて、財務情報として詳細な収入源のデータもある。


また日本ユニセフのサイトでは収支データも公開されている。


何より2世界で


$2,767,849,519(約3,200億円、06年)


を集めている団体、金額としてはびっくりするほどでもないが、彼らは何も売っていないのである。これだけの金額を集める秘訣、また実際何をしているのか出来る限りの範囲で調べてみたい。


2007年9月30日日曜日

タビオ-まとめ

9月28日終値¥2,060


タビオのまとめであるが、タビオのどこが「良い企業」であるのか、


やはりドメインを絞っていること、そしてそのドメイン(靴下)に対するこだわりは強い。

これら(ドメインの絞込み、こだわり)は企業経営において今更言うまでもない基本と言えるであろう。その中でも「靴下専門企業」という独自性や、高度なSCM(サプライチェーンマネジメント)も見逃せないポイントである。


しかし、このタビオという会社が持つ特徴はやはり、


国産、そして日本へのこだわり


であろう。このこだわりの何がすごいか、というと、やはり近年のグローバル化、ユニクロの成功、そして中国産製品の品質向上などの流れの中で、生産を海外、特に中国に委託した方が格段にコストを抑えることが出来て高い収益性を容易に上げることが出来るのは明確である。タビオほどの企業規模を持てばそのメリットもより大きいであろう。


しかしタビオは国産にこだわった。そして今も、これからもこだわっていくであろう


私はタビオの社長、越智直正氏の講演を聴きに行ったことがある。彼の日本の靴下に対するこだわりはもちろん、「日本」そのものに対するこだわりはすごいものがあった。冗談めかしく、外国人や海外製品を批判しつつ、


「日本の製品(靴下)はすごいんだ。日本人はすごいんだ。(日本人は)もっと誇りを持て!」


という、メッセージを盛んに発していた。そいうことをただ言うだけでなく実際に企業経営で実践して証明している(国産にこだわって靴下業界一人勝ち)。


さて、今後のタビオに期待することは、


新入社員座談会のページにこんなコメントを見つけた。


小学生のころ、公文の先生がクリスマスにいつも靴下をプレゼントしてくれていた思い出がありますね。


クリスマスの靴下、プレゼントのため、飾りのためだけの靴下をクリスマスの時期だけ生産・販売したらどうだろう。


「靴下は(常に身体全体の体重がかかって)過酷な生涯を送る」


と社長は言っているが、クリスマスの時だけ、その過酷な労働から解放してあげて、光のあたる輝かしい時を靴下に与えてあげたらどうだろう。夢のある、タビオにしか出来ない面白い新規事業であると思うが。


今後もあのパワフルな社長と、素晴らしいタビオの社員達が靴下に愛情を注ぎ続け、素晴らしい靴下を市場に提供し、「靴下」の地味なイメージを変えていくことを強く期待している。

2007年9月29日土曜日

タビオ-財務

9月28日終値¥2,060

タビオの財務分析を決算短信より行ってみた。

個々の項目をチェックしていっても特に目立ったところはない。印象としては、問題のない、小規模な上々優良企業という感じである。

しかし、前期からの成長率を見ると、これは特筆している。

タビオの過去5年間の売上と経常利益(個別)の推移を見ると、

02年売上79億、経常2.0億
03年売上84億、経常5.4億
04年売上84億、経常4.8億
05年売上91億、経常4.9億
06年売上110億、経常利益10.1億

05年までは堅調な営業成績ではあるものの、多少停滞感があることも否めない。しかし05年から06年に懸けては、売上の20%ほどの増加もそれまでの推移から見ると突然であるが、何より営業利益、経常利益、純利益と全ての利益分野で倍増を成し遂げている。





では一体06年期(07年2月期)に売上、利益が急増した理由は何か?

残念ながら、公開されている損益計算書では読み取ることが出来ない。原価率の低下と、販菅比率の低下によるものだが、その内訳は明確でない。

しかし05年期から06年期にかけての原価率の低下は約2%(49.6%から47.5%)、販菅費(販売費及び一般管理費)の低下率は2%弱(45.6%から43.9%)ほどである。

要するに売上の20%の増加(これは容易ではないが)に加え、原価率と販菅費を2%下げるだけで利益を倍増することが出来る

という、一種の経営上のマジックのようなものを見せてもらった(もちろんそれぞれの分野での地道な努力や経営の合理化策などが隠されているのだろうが)。

あえて経営分析するのであれば、連結では売上が21.5%増加し、急成長過程にあるにも関わらず、在庫(商品)増加率は20%以下(19.7%)に抑えているところである。商品回転率も23.09(06年期)と日数にして15.9日と一ヶ月に2回転近くしている計算になり、非常に優秀な数字である。タビオは今期も20%~30%の成長を続けており、このような堅実な在庫投資で高い成長を遂げていることはまさに高度なSCM(サプライチェーンマネジメント)を実証している

タビオの決算短信を見ていて面白いことに気づいた。

経営目標のところで、「売上高経常利益率、国内シェアともに11%を目標とする。」とあり随分、半端な数字だな・・・と感じたのだが、

良く見るとタビオの資本金(経営者がある程度任意に決めることが出来る)は、
333,444千円
である。

発行済み株式数は
6,668,880株

きっと社長は並び数字が好きなのだろう。財務諸表分析をしていてこういうちょっとした経営者の遊びを見つけることは、とても楽しい。またこういうのは大企業では中々なくて、本当につい最近まで中小企業だったんだな、という匂いがしてまた良い。


さらに東京事務所の電話番号は
03-3323-7111

2007年9月23日日曜日

タビオ-ブログ

9月21日終値¥1,905

タビオも企業としての公式ブログは存在しないようである。商品的にも、また人材(採用)に対する意識が強いことからも公式ブログを戦略的に活用できるのではないかと感じる。

しかし公式HPの中に


などのページがあって、内容も非常に厚くなっている。このようなコンテンツをブログとして、各社員の言葉や関係者のコメントとして時系列に情報を積み重ねていけば面白いと思うが。

中でも新入社員座談会のページで、

司会:谷 タビオはどんな雰囲気の会社ですか?
大川 個性の強い人間の集まり。良い意味で、ですよ。
挽野 「大阪だなぁ」と思うような独特の雰囲気があります。(笑)


上のような会話があったが、大阪の会社というのをもっとアピールして(社長は愛媛出身だが)、今元気のない大阪を活気付けるランナーとしてもがんばって欲しい。

その他タビオ関連のブログとして、

http://yuki.cocolog-nifty.com/daily/2007/07/post_b876.html
こちらのブログでは私のようにいろいろな企業を研究しているようである。確かにタビオは研究に値する面白い企業である。

大和総研の6月27日付けレポートでは、タビオの好調の理由の1つとして、前年度の暖冬により同業他社は過剰な在庫を抱えており、オーバーニーやレギンスといったトレンドアイテムの積極生産に踏み切れないできてしまっている、と書いています。  消費〜生産直結型の、タビオの強みが出ている格好ですね。

やはり注目すべきはきめ細かいSCM(サプライチェーンマネジメント)であろう。

http://ameblo.jp/ffggss/entry-10026936087.html
こちらのブログも興味深い企業としてタビオを分析しているが、

消費者独占力のある商品やサービスを持つ企業を探し当てます。具体的には、マーケティング手法の4P分析を使って、消費者独占型企業を発掘します。作者はこのバフェット流投資を実施し、4年で150万を1000万以上に増やした実績があります。

上のように、バフェット銘柄(長期投資に値する優良企業という意味としてとらえたら良いのだろうか)として、タビオを紹介している。


http://peugeot.jugem.jp/?eid=450
こちらのブログはタビオのアフィリエイトプログラムに参加している方のようである。
敬老の日の靴下プレゼントキャンペーンのようだが、

ご希望の方には期間中、「ありがとう」という言葉がいっぱい敷き詰められた、Tabioオリジナル風呂敷で靴下をお包みしてお届けいたします。

ネット戦略もきめ細かい。

2007年9月14日金曜日

タビオ-経営戦略Ⅱ(サプライチェーンマネジメント)

9月14日終値¥1,854

経営戦略:WHO(誰に)、WHAT(何を)、HOW(どのように)の続きで最も重要なHOWの部分だが、

国産品を、製造協力会社との緊密な連携によって、市場の流れに合わせて小口調達、販売する。

要するにSCM(サプライチェーンマネジメント)のお手本と言える、協力会社との素晴らしい連携によって、効率的なシステムを築いている。まさにタビオの成長の最もコアとなる部分と言えるであろう。

最初にタビオを靴下製造・販売の会社として紹介しているが、タビオ自体、実は製造は行っていない。(研究や高級品生産の工場は持っているが)





上の図にあるように、タビオとは商品の生産企画を行っている組織であり、そこから「靴下屋」を始めとする自社系列小売店に商品を卸す形となっている。実際の生産は協力工場で行っており、ユニクロなどで有名なSPA(Speciality store retailer of private label apparel)の典型とも言える。

しかしユニクロと違う点は、(ユニクロが主に中国の協力工場に生産委託してコストを下げているのに対し)、

国内生産にこだわっている

ことである。タビオの社長の理念の一つに「日本の靴下の品質の高さを世界に知らしめたい」というものがある。しかし、アパレル業界が中国産に席巻される中でも特に顕著に中国生産のメリットがあるように思われる(デザインよりも価格、大量生産)のが靴下であるが、そこで勝つのだから驚きである。

国産によるSPAを成功させている秘訣は大きく2つ上げられる。

①徹底した在庫管理・小口生産

http://tabio.com/jp/corporate/about/network/
このページで紹介されているように、タビオでは市場により近いところで生産を行うことで市場のトレンドを反映し、また小口生産(靴下は通常大量ロットでの生産でコストを下げている)で商品補充していくことで、在庫に関しては極力神経を配っている。

現場での正確で細かい販売情報を得るために、タビオはコンピューターシステムの普及する以前から下のような努力をしていたというエピソードが紹介されている。

靴下に管理カードを挟んでおき、商品が売れたときにレジでカードを抜き取る。カードをまとめて一括して本部に送ってもらい、本部で数量を計算するというものです。販売数量を正確に把握でき、販売員の作業負担は大幅に緩和されましたが、取引先が1374店舗にまで増えるにつれ集約作業が増大し、今度は本部の営業が集金に回る時間もなくなってしまいました。

今ではもちろんCSM(Customer Service Management?)という物流センターを協力会社とともに組合を設立して高度な物流管理をしているが、それでも社長は言っていた。

私は40年以上この世界で商売やってるが、作った商品は必ず足りない、または余る。作った分だけぴったり売れたことは一度もない!

これだけの在庫に関するこだわり、厳しさが高いレベルのシステムを産み出すのだろう(中小企業でも多くの経営者が自らの在庫管理が完璧だと錯覚しているはずである)。

もう一つのタビオの秘訣は、

②徹底した機械化

であろう。とにかく機会で出来るものは、徹底的に機械化する。タビオではいわゆる後工程といわれる、靴下のペアリング(2つをまとめる作業)、パッキング(袋に入れる作業)、シール貼りなどの作業まで一括して機会で行うことの出来る設備を協力工場に備えている。

またリンキングという工程が靴下製造においては重要らしいが・・・

参考:
ロッソ・リンキング
開いたつま先を縫合します。ミシンで一直線に縫い合わせる「ロッソ」と靴下の編目を一目ずつ拾う「リンキング」という2種類の手法があります。リンキングで縫製した靴下はつま先に山がなく、履いたときのゴロゴロ感がありません。


これまで機会で行う夢の機械をタビオは開発したようである。


国産にこだわり、靴下でとことん勝負するタビオ・・・靴下の会社なのに、クールな会社である。









タビオ-経営戦略Ⅰ

9月14日終値¥1,854

タビオの経営戦略において、ドメインは明確である。

靴下(とその関連製品)のみを売っていく

ということであるので、いわゆるWHO(誰に)、WHAT(何を)、HOW(どのように)のうちのWHATは決まっている。また「靴下屋」などの小売店の屋号からも、消費者に対するメッセージも明確である。靴下の国内市場規模は4000億円程度と言われる。

ちなみにタビオは靴下や女性用タイツの他にスパッツ(主に女性用)も取り扱っている。一見ドメインを逸しているかにも見えるが、ストレッチ素材を使う目立たない脇役という点で靴下と共通点がある。また靴下に比べて単価も高く、「金のなる木」的なイメージもある。

次にWHO(誰に)であるが、

ターゲットは靴下を履く全ての消費者

と言って良いだろう(成長段階ではターゲットを特に女性に絞っていたが)。「靴下専門店」というと随分狭い市場で勝負しているなあ、というイメージを持つが、これが盲点で、実は靴下というのはほとんど全ての人が着用するもので、ターゲットは市場全体、と非常に広い。

あえて言うならば、タビオはもともと靴下卸売り業として成長してきたが、現在は100店舗を越える直営店を持ち(直営店128店舗、フランチャイズを含め総計268店舗、07年8月末)、ターゲットをエンドユーザー(最終消費者)にシフトしている。また、イギリスに5店舗を出店するなど、市場を世界に広げている。

最後にHOW(どのように)、これは複雑である。

複雑だが、非常に重要な部分である。ので、次回にまわす・・・

2007年9月9日日曜日

タビオ-経営理念

9月7日終値¥1,762




この会社の経営理念は上のようにHPのスピリットのページに表示されており、とてもユニークである。

見えにくいので下にコピーすると、

凡そ、商品は造って喜び、売って喜び、買って喜ぶようにすべし、
造って喜び、売って喜び、買って喜ばざるは、道に叶わず。(二宮尊徳)


と書いてある。「道に叶わず」などとあるが、この社長は随分と仏教を深く信仰(二宮の報徳思想では仏教・神教・儒教の概念が含まれている)しているようで、ところどころにこのような、仏法のような言葉が出てくる。昨今、よく企業経営者などの不祥事がニュースになるが、仏教に限らず、信仰心の強い経営者は悪いことはしない、という感じがする(偏見かもしれないが)。日本はやはり信仰心は薄い国だし、どうしても利益追求(金儲け)が強い起業モチベーションになってしまうし、逆に金銭欲のない人種(特に最近の若者)にとって、起業する意味というのは見つけるのが難しい。

自ら事業を起こして、生涯生活を支えることは並大抵のことではない。しかし、企業社会が成熟した現代に生き残った日本企業に勤めれば(サラリーマンになれば)、例え転職で渡り歩いたとしても、ある程度の豊かな生活は保障されている。うまくいって大企業の幹部などになれば、年収数千万円は夢ではない。要するに生活を考えて、金銭計画を立てて人生設計をしていくならば、起業リスクというものはあまりにも大きい。

とにかく「この世の中を良くしたい」、「自らの存在を(アイデアを)この世に残したい」、または「人を助けたい」などという、ある意味宗教心のようなモチベーションがなければ起業は出来ないし、何より重要なのは、

金儲けを夢見て多くの若者が起業した60年代、70年代の企業の中で、生き残ったのがこのタビオ(68年創業)のような精神的な理念を創業時からしっかりと掲げていた企業だった、

ということである。

また補足すると、上の理念の中でやはり「造る」という概念がしっかり入っていること、ものづくりに対する気持ちの強い会社である。


また社長の挨拶のページの一番最初に、

なんていう言葉がある。最初は正直よく意味がわからなかったのだが、サイトのいろんなページを読んでいるうちにわかってきた。要するに

「靴下というのは(体重が思いっきりかかって、擦り切れて、ひどい目にあっているのに目立たない)かわいそうな存在である。靴下の気持ちになって仕事をしよう」

いう意味であろう。ちょっと普通では想像の及ばない、すごい視点を持った社長である。

2007年9月5日水曜日

タビオ



9月5日終値¥1,830




今月は靴下製造・販売のタビオを分析する。


この企業には以前から注目していたが、今期に入って株価も急上昇している。既存店の売上が引き続き好調のようである。




今まで企業をいろいろ分析していると、企業が大きくても小さくても、




成功している企業に共通して言えるのが自社の進むべきドメインを知り、そしてそのドメインで徹底的に戦っている、




ということである。その点このタビオはわかりやすい、創業以来、徹底して靴下(と女性用タイツなど)ばかりを売り続けている企業である。




「ニッチを攻める。」なんていうセオリーは誰でも口にすることだが、まさか靴下だけのアパレル企業が、上場企業に育つなんて、誰も(おそらく越智社長も)考えなかっただろう。




このタビオが靴下だけでどれだけ売っているかというと、




19年2月期


売上     115.78億円


営業利益    9.93億円


純利益     5.27億円


売上高営業利益率 8.6%




この狭い領域で100億円を超える売上を上げているだけでなく、内容(利益率等)も抜群の優良企業である。英国の有名百貨店に出店するなど海外進出にも積極的で、また今期も既存店ベースで高い成長を続けている。












2007年8月31日金曜日

Coca Cola Co.-まとめ

8月30日終値$53.40


Coca Cola の株主重視の姿勢は、日本的に見ると行き過ぎのようにも見える。


稼いだキャッシュの90%近くを配当と、自社株買いという形で株主還元しているのである。

裏返せば、成長投資に回す資金が少なすぎるとも言える。


しかし、Coca Cola の武器はなんと言ってもその巨大なるBrand Value (ブランド価値)と、non alcoholic bevarage としてのドメインを120年の歴史の中で、頑なまでに守り続けてきた保守性である。大金を投じて拡大戦略を取るような必要性もなければ、企業としてのベクトルもそこにはない、と言える。


ちなみにCoca Cola は80年代(1982)に一度、Columbia Pictures とColumbia Pictures Television
という映画とテレビの2つの巨大メディア企業を買収している。しかしたったの7年でその株を日本のソニーに売り渡しており、拡大戦略には苦い過去もある。


また、日本では個人も企業もお金を(時には意味もなく)貯め込む習性があるのに対して、アメリカでは個人も企業も(時には過剰に)気前良く使う、そして使わないのなら世話になっている人(株主)にお返ししてイメージを上げる、という習性がある。(貯め込んだ場合の)市場での被買収リスクも日本に比べても格段に大きいこともある。



今後のCoca Cola に求めることとしては、


ゴミ箱投資なんてどうだろう?


Coca Cola は言うまでもなく社会性の高い企業である。スポーツ投資を始め、社会貢献活動も多く行っている。また途上国を始めとする、世界中の国々に拠点があり、日本ではコンビ二もないような過疎地に多くの自動販売機を持つ。このような特性を活かして、世界中のいたるところ、特に途上国や、先進国でも田舎町にゴミ箱を設置する。ゴミ箱は、当然Cokeをかたどったクールな、それでいて道行く車からも目につくような巨大なものにすれば、宣伝効果はあるはずである。ゴミ箱設置だけでなく、ゴミ回収もしなくてはならないが、これは地元自治体などと話し合った上で、(社会性を理解してもらい)協力して行っていくことが望ましいだろう。


最後に、Cokeが何故これほどまでに(特にアメリカで)BIGになったのか?

こんなエピソードがある。


When the United States entered World War II, The Coca-Cola Company began providing free drinks for soldiers of the United States Army.

第二次世界大戦中、Coca Cola Co.は戦士達に無料でCoke を振舞った。


The popularity of the drink exploded as American soldiers returned home from the war with a taste for the drink.

大戦が終わると戦士達はそのCoke のテイストとともに帰国し、そしてCoke の人気が爆発した。


日本人には少々複雑なエピソードだが、企業のあるべき姿、そして企業がその(社会的)役目を果たしたとき、それはBrandという形で利益を運んで返ってくる。Coke が今から100年後も、そのクールな赤いロゴとともに人々の心を潤わせている姿が目に浮かぶ。






2007年8月30日木曜日

Coca Cola Co.-財務

8月29日終値$53.51

財務分析といっても、これほど大きな企業ともなれば財務諸表から目に見える欠点や問題は通例見られない。Coca Cola も例に漏れず、非常に健全な財務内容である。

その中で特徴を挙げると、株主重視の姿勢であろう。

Coca Cola は 06年のNET CASH PROVIDED BY OPERATING ACTIVITIES (営業活動によるキャッシュフロー)は$5,957million(6,910億円、1ドル116円換算)である。そして、そのうち配当に回した資金が、$2,911million(3,377億円、同)と配当性向はまさに48.9%と企業としての利益の半分近くを配当として株主に還元している。

さらに注目すべきは Coca Cola の Share repurchase activity (自社株買い活動)である。自社株買いは市場に出回る株数を減らし、一株あたりの価値を向上させることから、間接的に株主還元の行為となる。また、企業としても戦略的に自社株の流通をコントロールすることで、買収者を牽制するなど様々な効果があるため、昨今大企業の間では盛んに行われている。Coca Cola は06年にこの自社株買いを$2,474million (2870億円、同)も行っている。

Coca Cola は Annual report に公表している02年からの4年間で、Net operating revenues (売上)、Operating income (営業利益)、Net income (純利益)とほぼ全ての主要財務項目でプラス成長を遂げている(02から03年の営業利益のみ減少している)。しかしその一方で、Average shares outstanding (市場流通株式数)は一貫して減らしているのである。これは上の Share repurchase activety を盛んに行っている証拠であり、利益を成長させるのみでなく、自社株を減らすことによって、両面から一株あたりの利益を向上させ、株主に還元している。


Net Operating Revenues(in millions)
2004$21,742
2005$23,104
2006$24,088


Operating Income(in millions)
2004$5,698
2005$6,085
2006$6,308


Share Repurchases(in millions)
2004$1,754
2005$2,019
2006$2,474

Dividends Per Share
2004$1.00
2005$1.12
2006$1.24

2007年8月24日金曜日

Coca Cola Co.-ブログ

8月23日終値$53.98


Coca Colaに関するブログを分析してみた。


まずこちらはBloggingStocks というサイトから(株式市場の)専門家の投稿のようだが、



昨今の世界的な株式市場の暴落の中で、Coca Cola は非常に安定している(直近52週高値の$56.71から3ドル弱しか下げていない)ことを強調している。


"you can always count on Coca-Cola, no matter what condition the economy is in."

「どのような経済状況にあってもコカコーラから目を離してはいけない」


などという格言もアメリカにはあるようである。



こちらはアメリカで大ブームになっている動画投稿だが、



Coca Cola が障害者(聾唖者)に配慮している、というCMが投稿されている。しかし Pepsi が盲人に配慮しているのに対抗して、聾唖者にメッセージを送っているという「競合戦略」が露骨であり、少々モラルに欠けている気もする・・・



こちらは日本のブログ、コカコーラゼロに関してですが(ゼロに関する投稿は最近非常に多い)、



あまり美味しくないそうです・・・これには正直私も同感なのですが(黒いパッケージはクールだが)、


やっぱコカコーラは普通がいい。クラシックがいい。時代は変わる。Coca-Colaは変わるな


この意見にも強く同感です。










2007年8月15日水曜日

Coca Cola Co.-Brands (ブランド戦略)


8月14日終値$54.14


Coke と言えばまず連想されるのが、その圧倒的な Brand Value である。2007年のグローバルブランドランキング ( Business week ) でも7年連続の No.1 に輝いており、その Value は $65.3 billion (7.7兆円)と計算されている。


Brand Value の計算方法は複雑だが、Total Asset (総資産)の約$30 billion の倍以上の無形資産を Coca Cola Co. は保有することになる。Coca Cola Co. のPBRは現在4倍以上あり、非常に高い水準であるが、このブランド資産を Asset に計上すると、約1.35倍程度に収まる(適正水準の2倍程度に比べると下回るが)。市場はこの Brand Value をかなり高く評価していることがわかる。


しかし何故にこれほどまでに Brand Value が高いのか(高い Brand Value を維持してきたのか)?これはあまり適切な資料が見つからず、推測を交えて分析してみる。


1.ブランドの歴史

 Cokeブランドの持つ120年の歴史は大きな評価材料であろう。しかもその長い期間において nonalcoholic beverage というドメインをぶれることなく守り続けてきた。地道な努力が、歴史を刻む中で、評価を増幅していったのではないか?


2.デザイン

 くびれのある独特なボトル、赤地に Coca Cola のクールなロゴは消費者の心に大きく染み込んでいると思われる。登録商標( copyright )などが、法制化された根拠は Coke のロゴではないか、と思わせるほどにその商標価値は高い。

 ブランド戦略として注目されるのは、昨今のペットボトル全盛期の中で、各社コスト削減のためにボトルの標準化を図っている中で、Cokeだけはくびれのあるボトル(生産コストは他のボトルより高くつくはずである)を頑なに使用している。要するにコスト(削減)よりも、ブランドイメージの維持を優先している戦略は明確である。


3.グローバル展開

 現在 Coke は200以上の国々で売られている(2004年アテネ五輪参加国が202国)が、そのうちの90の国では、地元の人々によって生産されている。中には途上国もあるだろうし、そこで働く労働者や、工場のある街の人々にとっては Coke は胸に大きく刻まれるであろう。

 さらに、それらの多くの国々で独自のブランド戦略をとっているため、それぞれの国にあった形で Coke ブランドが浸透していくようなシステムをとっている。典型的な例は日本である。日本では Coca Cola そのものは(欧米に比べて)人口に比してそれほど多く飲まれていない。しかし日本コカコーラは、(欧米にはなく)日本飲料市場で大きな地位を占める缶コーヒー市場を強化し、ジョージアブランドを育て、40%近い圧倒的シェアを誇っている。そのジョージアが市場に浸透していく背景に Coke Brand が寄与していたことはゆるぎない事実であろう。


さらにスポーツイベントへの協賛や、独特のテレビCM戦略などマーケティング戦略も一流ではあるが、それらはブランドが先か、後かという議論もあるだろう。要するに、これだけの圧倒的なブランドを持てば(その歴史の中でブランドを築いていく数々の苦労はあっただろうが)、マーケティングは比較的容易に優位に進められるのではないか、ということである。




2007年8月12日日曜日

Coca Cola Co.-Competitive Advantage (強み)

8月10日終値$54.98

Coca Cola 程の大規模な会社となると、「経営戦略」というくくりではあまりにも広くなってしまって、ありきたりになってしまいがちである。よって今回は Chairman's Letter から Competitive Advantage (強み)を抜き出してみた。

以下本文そのものをコピーして分析してみる。

Retaining our competitive edge requires an intense, unrelenting focus on what our Company is all about—beverages. More than 1.4 billion servings of our products are enjoyed every day—nearly a million servings every minute. For 120 years, beverages have been our business, and we remain focused on being the strongest nonalcoholic beverage company in the world. With four of the world's top five nonalcoholic sparkling brands, our leadership position is clear. And it has given us the expertise to lead in several other beverage categories: Worldwide, we are No. 1 in sales of juice and juice drinks; No. 1 in sales of ready-to-drink coffees and teas; No. 2 in sales of sports drinks; and No. 3 in sales of water.

120年という長期の歴史の中で beverage business にフォーカスしてきた。その beverage の中でも nonalcoholic (ノンアルコール)の分野に特化してきた、ということを強調している。一見儲かりそうなアルコール(ビールなど)に手を出さずに、ドメインを頑なに守り続けてきた、という自負が感じられる。

その結果 nonalcohllic sparkling beverage では世界の5大ブランドの中の4つを占め( Coca-Cola, Diet Coke, Sprite and Fanta... 残りの一つは言うまでもなく pepsi であろう。しかしどのような基準でこのトップ5を定義しているのかは不明・・・Coke と Diet Cokeを分けているし、Fanta のシェアはそれほど高くないと思われる。 )

The geographic diversity of our Company gives us balance. As a general rule, when some markets are down, other markets are up. We are able to grow our unit case volume in spite of challenging markets. What did this mean in 2006? A year of flat unit case volume growth in North America and declining unit case volume in the Philippines was balanced by double-digit unit case volume growth in other markets, including 10 percent in Argentina, 15 percent in China, 26 percent in Russia and 10 percent in Turkey. We will continue to focus on these and other strong markets, such as Brazil, Mexico and Spain, while we implement customized plans for stabilization and growth in underperforming markets.

ここではグローバル展開の強みを強調している。例として、アメリカでの成長はもうそれほど大きくないが、アルゼンチン(10%)や中国(15%)、ロシア(26%)などの成長がそれをカバーして余りある。要するに Coke ほどのグローバル展開をしていると、どこかの市場が沈めば、どこかの市場が上がる、という具合にリスクを回避してさらに成長へ向かうという戦略が描ける、ということであろう。

Our opportunities for growth are significant. Even in developed markets, only 62 percent of beverages consumed are nonalcoholic ready-to-drink. And in developing and emerging markets—places like China and India with fast-growing populations and ever-increasing spending power—just 40 percent of all beverages consumed are nonalcoholic ready-to-drink. We are capturing these tremendous opportunities by focusing on providing ready-to-drink beverages that honor local cultures, preferences and tastes.

ここではさらに ready-to-drink (おそらく缶飲料などの製品化されてスーパーなどで売られているものを指している、と思われる) に特化しそこでの強みを発揮することで、(遠まわしに)社会貢献をしていきたい、ということを述べているのでは。

とにかくドメインを絞り、そのドメインに(規模を活かして)投資を集中し、他社を引き離していく、という戦略であろう(やはりありきたりだが・・・)。しかし nonalcoholic beverage の市場をこれほど拡大させたのは Coke である、といっても異論はないであろう。

2007年8月9日木曜日

Coca Cola Co.-Mission(経営理念)

8月8日終値$55.86


前回の投稿で抜けていたmarket cap.(時価総額)は

129.24billion(15.25兆円)

である。この数字は普通に見てかなり高額であると言って良いであろう。米国の市場で20番目、日本の市場に当てはめるとトヨタと三菱UFJについで3番目に入ってくる水準である。



Coca Cola CoのMission(経営理念)だが、




  • To Refresh the World

  • To Inspire Moments of Optimism

  • To Create Value and Make a Difference



の3つが挙げられている。要するに



「世界を(世界中の人々を)活気付けて、楽しい一時を与え、何か新しいものを作って行こうぜ!」



という感じであろうか。特に



refresh the world



というのは企業として最も大きなMissionのようである(パッケージにも「refreshing & uplifting」と書かれている)。Cokeは今でこそ当たり前に存在する、スタンダードなドリンクだが、しかし今でもそのテイストは他のドリンクと比べると明らかに異種のものである。それに私達は慣れてしまっているが、当初市場に表れた頃は驚きのドリンクだったことだろう。



「人々に驚きを与えたい」



そして幸せを提供したい、という意味が込められているのではないだろうか。色の驚き、テイストの驚き、のどごしの驚き、私達が今当たり前として捉えているCokeをまた新鮮に見つめなおすと、いろいろな驚きが見えてくる。そして、驚きこそが生活に刺激を与え、そして喜びとなる、ということであろうか。



さらにVisionとして、


  • Profit

  • People

  • Portfolio

  • Partners

  • Planet

5つのPが挙げられている。


Valueとして


Leadership: "The courage to shape a better future"
Passion: "Committed in heart and mind"
Integrity: "Be real"
Accountability: "If it is to be, it’s up to me"
Collaboration: "Leverage collective genius"
Innovation: "Seek, imagine, create, delight"
Quality: "What we do, we do well"




の7つが挙げられている。特にInnovetionのところの



「Seek, imagine, create, delight(探せ、考えろ、創造しろ、楽しめ!)」



というキャッチはクールで個人的に気に入った。

2007年8月4日土曜日

Coca Cola Co.


8月3日終値$53.28

今月は清涼飲料業界(beverage business)の王者 The Coca Cola Companyを分析してみる。

暑い夏、梅雨を過ぎると無性に飲みたくなる。何よりあの赤い、クールなロゴマークに不思議と引き寄せられる。こんな時期にピッタリではないだろうか。


創業は1886年、アメリカにて初めてこのカリスマ飲料が売られたと言われている(法人化は1919年、アメリカはデラウェア州にて申請されている)。昨年でちょうど創業120年。世界的老舗企業として、今では200ヶ国以上で売られている代表的グローバル企業と言って良いであろう。


簡単な財務データとしては


06年 (為替換算1ドル118円)

売上(net operating revenues) $24billion  2.83兆円

営業利益(operating income)  $6.3billion 7,434億円

純利益 (net income) $5.1billion 6、018億円


正直言って売上規模はもっと大きいのかと想定していたが、どのような形でoperating incomeが算出されているのかはわからない。その辺も含めて財務でわかる範囲でみていきたい。どちらにしても(ボトラーや小売店が間に入るので)、我々最終消費者がCOKEに費やす金額は上のものよりかなり大きいことは間違いない。


注目すべきはあの長期投資で世界的に有名なWarren Buffettが溺愛していること(彼は本当に良い企業に長期的に投資することをモットーにしているらしい)、また400以上あると言われるかの有名なブランド戦略であろうか。

2007年7月31日火曜日

サンテック-まとめ

7月31日現在株価¥685

電気工事業という業界は、通常大手電気会社や鉄道会社などの下請け企業として発展してきている例が多い。どちらの系統も今でこそ民間公開企業となっているが、その起源は公共であり、また事業そのものも非常に公共的特性が強い。要するに、その下請け電気工事業もそれらの公共事業を糧としているため、(高度経済成長期は)安定した受注を得ることができたが、その見返りとして親企業(または公共団体)との強い主従関係にあったことが想定できる。

その点サンテックは企業としての歴史は長いものの(1937年創業)、独立系として発展してきており、しがらみのなさが大きな強みと言える

19年3月期単体で売上295.7億円、内訳が官公庁(公共事業)から28.2億円で9.5%、電力会社から35.7億円で12%なのに対し、民間会社から231.8億で78.4%と圧倒的な受注を誇っている。(http://ir.eol.co.jp/ASP/1960?task=download&download_category=yuho&id=1026636&a=b.pdf

(公共や電力会社との)しがらみのなさ、という強みを何に活かすことができるのか、または活かしているのか。

それこそがサンテックが勧めている環境事業ではないか。

サンテックは主な環境事業として太陽光発電や、ESCO事業を行っている。大手電力会社は言うまでもなく電力を売ることが商売であり、電力会社とのしがらみがあると中々ESCO(なるべく電気料金を下げるためのコンサルティング)のような事業は行いにくいし、既存の電気インフラを利用することがより効率的であるため太陽光発電設備工事もあまり歓迎されないことが想定できる。

近年建設業界は電気工事業に限らず苦しい市場環境であり、今後も(国内での都市インフラはほぼ整備されているため)展望は明るくない。その中でサンテックは積極的に海外(アジア)に乗り出し、また「環境」をキーワードに新しい領域をたくましく切り開こうとしている。

ちなみにその厳しい市場環境の中でサンテックは新卒採用を近年大幅に増やしている。

採用数
平成15年4月入社 1名 
平成16年4月入社 1名
平成17年4月入社 2名
平成18年4月入社 10名
平成19年4月入社予定 14名

今後さらなる新しい戦略、展望を抱いていることが、この新卒採用数(サンテックは中途採用も行っている)の推移に明確に現れている。

サンテックから学べることは、(高度経済成長期を終えた)今後の企業経営にはやはり社会性が求められること、そしてサンテックは「(地球)環境」に目を向けることで社会に貢献しようとしていることである。

今後サンテックに期待することとして、昨今原油価格の上昇も天井が見えないエネルギー市場でサンテックには強みである、太陽光発電の更なる品質向上、普及(余剰金も多くテレビCMなどしても良いのでは)に努めてもらいたい

サンテックが保守的なイメージの強い建設業界のなかで、強く生き残り、新しい時代に対応してさらに輝き続けることを期待する。

2007年7月27日金曜日

サンテック-海外事業展開

7月27日現在株価¥650

サンテックの売上の約30%が海外の売上である。

詳しく は19年3月期(連結売上高約312億円)で

東南アジア 約76億円(対連結売上比率24.2%)
その他アジア 約29億円(同9.1%)

と、100億円以上(33.4%)を海外で稼いでいる。

また、アジア事業拠点として
現地法人をブルネイ、マレーシア、タイ、中国(上海)に持ち、

支店をシンガポール、ミャンマー、台湾に、

駐在員事務所をベトナムに持っている。

中国の現地法人(山陽機電技術(上海)有限公司)は連結子会社となっている。米国に現地連絡事務所を持つ。

下は施工例としサンテックHPにいくつか紹介されている画像のうち、シンガポールのリパブリックプラザ(上)と、ブルネイのヤヤサンショッピングセンター(下)である。






上のように海外では大規模な建設工事を請け負っている例が多いようである。日本の資本による投資事業においてその電気工事部門を請け負う有力な受け皿となっていることが想定される。

また海外事業はアジアに集中しており、中でも東南アジアに集中していく戦略をとっているようである。(18年44億18%、19年76億24%)

電気工事サービス業と内需中心の業界において積極的に海外へ乗り出し、そして確実に事業基盤を築いていることは注目すべきである。日本国内においての建設業界を取り巻く環境は以前厳しいものであるが、今後も東南アジアや中東においては大規模建設工事が相次ぐと見られ、経験を強みにしてそれらの市場で(電気工事部門では)強い交渉力を持っていくことが想定される。

2007年7月24日火曜日

サンテック--新規事業展開

7月24日時点株価 ¥656

サンテックの現在(19年3月期)の売上構成は

内線工事 242億 (約75%)
電力工事 46億 (約15%)
空調給排水工事 16億 (約5%)
機器製作 9億 (約3%)
合計 約313億

というところである。内線工事と電力工事でほぼ9割を稼いでいる。しかし、この電気工事関係はサンテックの事業概況にもあるように、近年は競争も激しく、価格も低下している状況である。


このサンテックが新規事業と銘打って力を入れているのが、PFI事業とESCO事業というものである。

PFI事業(Private Finance Initiative)とは、公共事業を民間の資金やノウハウを活用して行うことにより、(公共の)コストを下げようというものである。サンテックは本来独立系であり、公共事業には弱い部分もあったようだが、この新しい時代のシステムによって技術力を活かし、公共分野にも食い込んでいるようである。


ESCO事業(Energy Service Company)とは、一時期話題になった、電気代節約コンサルティングのようなもので、浮いた電気代から何%かを報酬として受け取るという非常にクリアで効率的な事業である。電気工事サービス業における電気配線システムなどのノウハウを活かし、シナジーも想定できる(電気工事からその後のメンテナンス、ESCOまでセットで受注が期待できる、自社の太陽光発電を勧める、など)。



どちらの事業も多角化など、派手ではないものの、電気工事という足元を見つめた堅実な事業と言える。また、ESCOなどは今後「環境」をキーワードにして、さらに市場が広がっていく期待も持てる(そうあってほしい)事業ではないだろうか。

2007年7月22日日曜日

サンテック-経営理念

7月20日現在株価 ¥714

経営理念を遅ればせながら分析する

わたしたちは、自然環境をやさしくまもり、育てます。
わたしたちは、顧客満足をたゆまずに追求します。
わたしたちは、創造的に、積極的に行動します。


2番目の顧客満足、3番目の想像力あたりは企業経営全般的に必要とされる理念である。
注目すべきはやはり1番目(当然1番上に来るのだから最も重視している項目であろう)

環境

大きなテーマの様である。短信でも重要項目として環境をあげている。成熟しつつある業界の中で新しい領域に視点を置いている、しかも「環境」は今(特に米国などで)最も企業経営上注目されているキーワードである。

サンテックは実際太陽光発電への積極対応などでその環境方針を実践している。

また基本方針として

1.生産性の向上
2.事業基盤の再構築

があげられていて(正直あまり独自性のない基本方針である)

また営業利益率5%を具体目標としてあげている。(19年3月期営業利益率1.3%、この業界は労働集約的産業でありながら意外と利益率が低い)

2007年7月14日土曜日

サンテック-資本政策

7月13日時点株価¥732


19年の営業CFが約20億円のマイナスと純利益5.5億円の企業としては大きく見えるが、サンテックは純資産が312.8億円(19年3月末)、自己資本比率67.5%と高い安全性を誇り、業界特性である資金需要の変動に対応している。






また19年3月末で、有価証券13億円、投資有価証券60.8億円、投資不動産38億円(時価ベース)、投資資産約112億円を保有している。19年3月期も約20億円の営業CFのマイナスを、約22億円の投資CFでカバーしており、投資資産を利用して資金需要変動リスクをコントロールしている。



借入金は短期(9.8億円)、長期(0.3億円)合わせて約10億円と資産規模が400億円以上あることを考慮すると安全性には全く影響のないレベルである

2007年7月10日火曜日

サンテック-財務

7月10日時点株価 ¥740

今月は財務分析から入っていく。理由は企業規模が比較的小規模であるため、財務面に存在する課題が企業の継続性に大きく影響してくる場合があることと、またいろいろな順番で分析する形を模索していることからである。

どちらにしても、企業を分析する上でまず、財務諸表に目を通さなくてはならないことには変わりはない。






上は財務データ(収益性)のハイライトであるが、特徴としては年度ごとの変動が大きいことである。特に利益面において変動が激しく、年度によっては(15年度、17年度)赤字に陥っている。また、19年度の最終利益が5.5億円あるにも関わらず、営業キャッシュフローは20億円あまりのマイナスである。


これは一つは建設業における業界特性とも言える。 まず案件ごとの単価が大きいため、工事の完成が多い年度とそうでない年度に差が出てくる。工事進行基準による売上計上により(売上を)平準化することはある程度可能であるが、資材や人件費(外注費)などの費用が先行するためどうしても利益やキャッシュフローに影響が出てくる。

これらの変動やキャッシュフローの遅れに耐え切れず中小建設業ではしばしば倒産が起きるわけだが、サンテックは自己資本の増強によってこのリスクを管理している、といって良い。

サンテックの純資産は19年3月末で312.8億円、自己資本比率が68.4%と非常に高い安産生を確保している。しかも純資産額のうち約80億円(25.8%)を現金として保有している。

これらの資金の多くを株式市場から調達しているため、2.3億円(配当性向約42%)もの多額の配当を実施していることも資本政策上大きな特徴である。

2007年7月4日水曜日

サンテック


7月4日時点株価¥745(単元1000株)


7月は東証2部上場のサンテックを分析する。


サンテックは建設業として、電気工事(主に内線工事を主力としている)を幅広く展開する企業である。


簡単な概要は

19年3月期


  • 売上 312.69億円

  • 経常利益 10.88億円

  • 純利益 5.49億円

上場企業としては比較的小規模である(市場取引も少なく毎日取引が成立する会社ではない)が、会社としての歴史は古く、設立1948年(来年で創業60年)、上場も1973年と30年以上も公開市場に存在している。


建設業界の厳しい市場環境の中で、力強く生き残っているだけでなく、サンテックは業界でも成長が期待されている数少ない会社である。


注目すべき特徴は



  • 業界では大手電気会社や鉄道会社(JR)の下請けとして、公共的に設立された企業が多い中で、サンテックは独立系としてその長い歴史を歩んできた。

  • 労務提供型サービス企業としては珍しく積極的な海外進出をしている。


特殊な業界特性を持つ中でどのように戦略的に発展してきたのか、学ぶ点が多いようである。


2007年6月30日土曜日

GOOGLE-まとめ

6月29日終値$522.70

GOOGLEのすごいところ、それはあげていけばきりがないが、企業としてデータで説明できるものとして、そのビジネスモデルの徹底ぶりであろう。経営戦略のところで触れたようにGOOGLEのビジネスモデルは

(検索を核とした)ネットサービスの無料提供

これにより多くの利用者を惹きつけ、

検索内容、またはサイトコンテンツに連動した(主に企業の)広告

によって収入を得るというものである。そして1兆円を超える売上の(06年予想10.6b)99%近くが、広告収入であり、しかもその殆どがadwords(検索連動型広告)adsense(サイト内容連動型広告)と呼ばれるネット上でのテキスト広告によるものである。

ここで日本の広告大手、電通と少し比べてみる。電通は売上が2兆円強(07年3月期)とGOOGLEよりも売上規模ではやや勝っている。電通は総合広告会社なのでテレビ、新聞広告からネット広告、または各種企画事業まであらゆるタイプの広告を扱っているだろう。(ちなみにテレビ関係が47%と半分近く約7500億円を稼いでいる)広告業以外にも1000億円以上(5%強)の売上を計上している。

その電通の経常利益は約700億円(3.3%)、GOOGLEのGROSS PROFIT(06年INCOME FROM OPERATION)が3.55b(約4400億円、利益率33%)である。

この驚異的な利益率の違いは、もちろん時代の潮流に乗ったGOOGLEが世界中で話題になっているパブリシティ効果だけでなく、やはりビジネスモデルの徹底による超がつくほどの効率経営であると言える。

GOOGLEから学べることはやはり、(いつも実感させられるが)自らのドメインをしっかり見つめていくこと、そして多くの人に利便性を提供すれば、言い換えれば

社会に利益を提供すれば(例えそこから利益は得られなくとも)、必ずそれは廻り廻って企業に利益をもたらす

ということであろう。

GOOGLEに関してはこのところ(強すぎるが故に)ネガティブなニュースが多い、挙げていけばきりがないが、下のようなニュースは毎週のように出てくる。
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2007/06/30/ngoogle130.xml

あるイギリスの企業経営者が自らの会社に不利益を及ぼすコメントを掲載しているサイトリンク(検索上位にくるのだろうか)を削除するように求めているらしい。

いずれにしても
A successful legal challenge could be catastrophic for all search engines in the future
とあるように、GOOGLEが今後(一時のmicrosoftのように)あらゆる形で法廷闘争に巻き込まれることは必至であるが、法廷での勝敗よりも世論の支持を受け続けることが重要になってくるだろう。


こうした話は、(GOOGLEが反論するように)突き詰めれば対応しようがない。しかし、今ネット上でGIANT(巨人)と呼ばれるGOOGLEにとって今後今まで以上に社会性が求められてくることは必然である。

GOOGLEの未来、GOOGLEに期待することをあげたら(GOOGLEの規模、高度な技術、社会的な支持を考慮すると)数限りないが、皆がもっとそのようなことを議論しても良い時期に来ているのでは(GOOGLEの存在をネット社会のために活用すること) 。

個人的にはGOOGLEのサイト検索技術を活かして、

有害サイトの検索、公開システムを構築できないものか

と期待している。もちろんGOOGLEが突っ込んでサイトの削除までする必要はない、しかしネット上での悪人を効率的に探し出すことができれば、あとは数十億の世界中のネット利用者がそれらをどのように処分するかを、民主的に決定していくことができる。問題は悪人がどこに存在するかわからない、だからこそ(見つからないから)悪人がどんどん増えていく、というところにあるのだから。

素晴らしい企業GOOGLEが、今後も世界中のネット利用者に幸せを提供し続けていくことを確信している。

2007年6月28日木曜日

GOOGLE-財務

6月27日終値 $526.29

GOOGLEの財務分析であるが、サイトに公開されているサマリーを見てみた。(06年第4四半期決算)

GOOGLEは98年の設立より急激に成長してきているわけだが、ここに公表されている05年、06年通期のデータでは、その成長率も落ち着いてきている感がある。

しかしREVENUE(売上)が、05年6.14billonから06年10.6billionと、直近でも42%の成長を遂げている。これでも数年前までの数百%の成長から比べると落ち着いてきたと言え、この程度の成長率はまだ数年は続くと思われる。

根拠はグローバル利益であろう。GOOGLEは日本を始め多くの国々での拠点をアメリカ本社でほぼ一括管理しており(07年現在)、海外(アメリカ以外)での収入が総収入の44%(06年第4期)としている。本拠アメリカでの事業が安定してきている(アメリカでは既に相当の市場シェアを占めていて、今後は防戦に回る場面も出てくるだろう)事を考えるとこの比率(海外比率)は今後も伸びていくことが予想され、日本や中国などの巨大な人口を抱える国で未だシェアを伸ばすチャンスが大きいことを考えると、数十%程度の成長率を後数年(5~10年)続けていくことは十分可能であろう。

またGOOGLEはREVENUEの殆どを広告収入として稼いでいる。殆どというのも、なんと06年REVENUE$10.605billionのうち$10.493billionと99%が広告収入で、その徹底ぶりはすごい。(ちなみに06年で$112milliomがLicensing and other revenuesとして計上されている。)

つけ加えて気になるのが04年から05年にかけてキャッシュが急激に増えており(04年$2.13bから05年$8.03b)、これに伴って会社も積極的な戦略を繰り広げ、業態を大きく変化させている(カスタマイズドHPなどの提供により大きくそのサービス範囲を広げた)。要するにこの時期(04年、05年)がGOOGLEの成長過程の大きなキーであり、個人的にはGOOGLEは安定成長期に入ったと見ている。

リンク(financial tables)
http://investor.google.com/fin_data.html

2007年6月27日水曜日

GOOGLE-ブログ

6月26日終値 $530.26

GOOGLEのブログ分析だが、GOOGLEに関するブログは言うまでもな星の数ほどある。

GOOGLEは企業として公式ブログを公開している。
http://googleblog.blogspot.com/
日本企業は現在公式ブログを公開している企業はまだ少ないが、アメリカはこの分野は進んでいる。

ちなみにGOOGLEは、GOOGLE JAPANでも公式ブログを公開している。
http://googlejapan.blogspot.com/
日本GOOGLEの企業文化が見える。

続いてこのBLOGGER(GOOGLE傘下のブログツール、このブログはBLOGGERを利用させてもらっている)の、ブログ
http://buzz.blogger.com/

YouTubeブログは面白い(ちょっと字が小さいが・・・)
http://www.youtube.com/blog

ちょっと今回内容まで突っ込んで分析する時間がなかったが(反省)とにかくアメリカ企業は関連ブログが多いので、サーフしていると楽しい。GOOGLEに関しては(企業の成長性は疑いがなく、一般に賞賛の声が多いのが逆に反感を招くのか)ネガティブな内容のブログも多いのが目立つ。

2007年6月22日金曜日

GOOGLE-買収戦略Ⅱ



6月21日終値 $514.11




GOOGLEが、ここ数年で買収している企業について、簡単に分析していく。




ちなみに現時点で「グーグル 買収」で132万件、「google + acquisitions」で256万件の検索ヒットがある、ここ数年と言ってもGOOGLEは短期間にかなりの数の買収を行っている。




WIKIPEDIAで紹介されている、GOOGLEの買収リスト(07年6月現在42件の買収がリストされている)は非常にわかりやすいので、こちらを参考にしたい。




まずはこのブログでも利用させてもらっているBLOGGERを03年の2月とグーグルの成長過程の早い段階で買収している。




今後ブログがネット上でのかなりのプロパティ(場所)を占めるであろうという、先見力を示すものである。ちなみにこのブログサイトはデザインが非常にシンプル、クールであり、日本語によるサポートが充実されたら日本でも利用が広がってくるのではないか。




続いては04年10月のkeyholeの買収である。keyholeは立体的な地図データソフトを制作する会社であり、GOOGLE EARTHにその技術が使われている。このGOOGLE EARTHの技術は、その高度な技術はもちろん、これをネット上で無料で提供してしまったGOOGLEの戦略に世界中の利用者が驚かされた。(同時に世界中の多くのデジタル地図ソフト会社のビジネスを奪ったことにもなるが)




さらには06年3月Upstartleを買収する。この会社はWritelyというウェブ上でのワープロソフトを開発していたごく小さな企業であった。この買収によりGOOGLEは昨年よりdocs & spreadsheetとしてまたこれも無料でウェブ上のワープロソフトと表計算ソフトを提供している。これはofficeのドメインに進出することでmicrosoftに対抗していることが、鮮明な戦略と言える。(05年に2Web Technologiesというウェブベース表計算ソフトの会社も別に買収している。)




GOOGLEの買収戦略のハイライトといえば、やはり昨年(06年11月)のYouTube買収であろう。これは比較的小さな買収を繰り返していたGOOGLEにとっても大規模(16億5000万ドル)なものであるが、その金額を上回るインパクトをネット利用者に与えた、と言える。YouTubeの高度な動画配信技術と、GOOGLEの検索技術を融合させた、買収によるシナジーのお手本と言える。




最新ニュースとして、GOOGLEは今月(07年6月)Zenter(ウェブプレゼンテーションソフトの開発)を買収し、これによりウェブ上でのアプリケーションの穴を埋め、ウェブアプリケーションにおいて、microsoftへの攻撃態勢を整えたと言える。




これらの買収はGOOGLEのstock market(株式市場)での強い立場(時価総額約20兆円)により株式交換で、殆どキャッシュアウトなしに粛々と行われている。




次にGOOGLEが狙う企業は、狙うドメインは、そしてGOOGLEの目指すウェブ上での世界とは、我々には現時点では創造もつかない。




2007年6月16日土曜日

GOOGLE-買収戦略Ⅰ

6月15日終値$505.89

昨今の世界的なM&Aの流れの中で、GOOGLEはその主役企業の一つとなっている。

GOOGLEは優れた検索技術を持ってはいたものの、ほんの4~5ねんくらい前まではそのウェブサイトには検索窓があるだけの、よく言えばシンプル、しかし裏返せば無味乾燥なものであった。

今でもそのシンプル性(必要なものだけを提供する)は維持しつつも短期間に様々なツールを追加している。ウェブ上でのワンストップサービスを提供するiGOOGLEというパーソナルドホームページによって個人の好みに合わせ、必要なツールのみを手軽に利用できる形で、少し前まで「ポータルサイト」、と呼ばれていた領域に急速に侵略している。





何故これほどの短期間に、高機能なウェブツールを次から次へ追加していくことができるのか?

この答えがGOOGLEのM&A,というよりA(acquisitions:企業買収)である。

GOOGLEは2002年度から06年度までの4年間に売上が約4.4億ドルから106億ドル(約24倍) 、という急成長を遂げ今も成長途上として注目されている。

しかし同期間にトータルアセット(総資産)はなんと約2.9億ドルから185億ドル(約64倍) 、と収益を大きく上回る膨張をしているのである。

企業買収の主なもの(キーホール、Writely, YouTubeなど)については、次回分析する







2007年6月13日水曜日

GOOGLE―経営戦略

6月12日終値$504.77

GOOGLEの経営戦略を分析していく。

まずGOOGLEの事業ドメインは

サーチエンジンを中心としたネットサービス

ということになる。とにかくGOOGLEという企業は、そのスーパー機能のサーチエンジンを抜きにして語ることはできない。

もちろん強みは

サーチエンジン

である。 サーチエンジンそのものはもちろん、ネット上でのサーチエンジン提供のサービスもGOOGLEが初めて行ったわけではない。しかもYAHOOは、そのサービスにおいて市場を先駆け、GOOGLEの誕生した98年には既にネットサービスにおいて(ポータルサイトとして)確固たる地位を築き、多くのユーザーを取り込んでいた。

では何故後発のGOOGLEがその市場で勝ち上がることができたのか?

それは技術力(TECHNOLOGY)、または発想力(CREATIVITY)と言ってもよいかもしれない。

GOOGLEはそのサーチにおいてPageRankという技術を使っていると言われる。
これはLarry Pageの開発した技術で、基本的に

  1. 独自開発のサーバーインフラストラクチャを利用する。(従来型の大型サーバーによるサーチエンジンとは根本的に異なる技術)
  2. スピードにおいて圧倒的優位性を持つ
  3. 他のサイトからのリンクを「投票」としてサイトをランク付けする

などの特徴がある。 一般にこのサーチはロボット式と呼ばれYAHOOなどが提供していたカテゴリー式(ウェブ上の情報をカテゴリーに分け段階的に情報を探していく)とは、全く違った技術と言われる。

注:現在ではYAHOOなど多くの検索サイトがGOOGLE式のロボット検索に技術移行しているようです。



そして経営戦略、要するにどのように儲けているのか、
GOOGLEは昨年期(06年)で一兆円以上の巨額の売上をあげている。我々がGOOGLEユーザーとして日々様々なGOOGLEのネット上のサービスを利用しているが、GOOGLEに利用料を払うことはない。

GOOGLEは今ではサーチエンジンだけでなく、ワープロや表計算GOOGLE EARTH(3次元画像のの土地検索ソフト)、GMAIL(容量2872MBものメールサービス)など、高度なネットサービスを基本的に無料でユーザーに提供している。

そして収入源は主に企業からの広告料であり、そのビジネスモデル自体は従来から存在していたものだがGOOGLEのネット広告は検索連動型であり、従来のサイトバナー広告とは違ったものであった。

主に2つの代表的な広告システムがある。

ADWORDS:GOOGLE検索において利用者の入力した、キーワードに関係した広告を掲載する(検索結果とは表示を明確に分けている)
ADSENSE:ウェブサイトの内容に関係した広告を掲載する(このサイトでも登録している)

これらにより、我々利用者はキーワードに連動した、まさにそのとき欲しい情報に素早く、そして無料でたどり着くことができる。また企業側はピンポイントに自社の広告を潜在消費者に届けることができ、またユーザーのクリック数などにより課金されるシステムなので、効率的でまた費用対効果も計りやすいなど数多くのメリットがある

昨今我々はGOOGLEの高性能なサーチエンジンに慣れてしまい、そのありがたみを忘れつつあるような気がする。もし明日からGOOGLEがサーチエンジンの無料提供をやめる、と発表したのなら、我々はPCを前にして途方にくれるに違いない。そして、その数ヵ月後にまたGOOGLEが、そのサーチエンジンを有料サービスとして再開すると言ったのなら、我々は一体いくら払う用意があるだろうか?もちろんGOOGLEがそんなことをするとは思わないが、「無料でないのなら必要ない」と興味を示さないネット利用者は少ないのではないか。

2007年6月9日土曜日

GOOGLE-経営理念



6月8日終値 $515.49

GOOGLEの経営戦略を分析していく。
グーグルIRサイトの会社情報のセクションは日本語での翻訳がされている。(日本を重要マーケットの一つとして認識しているのであろう)

GOOGLEは1998年にスタンフォード大学の博士課程に在籍していた、Larry Page氏と、Sergey Brin氏が共同で立ち上げた(現在CEOはDr. Eric E. Schmidt氏)今年でまだ9年目の企業である。

こちらのエピソードは面白い。
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=RS2035041607062007
「実際のところ、Googleの共同設立者Larry Page氏は単に自分の博士号論文を完成させたかっただけ・・・」

論文作成の費用捻出のため、Larryが自ら開発したPageRankの技術をライセンスしようとしたが、どの企業も興味を示さなかったらしい。しかしこの時に先見性のある経営者が高額でライセンス取得していたら、またその後の世界を大きく変えたことになる。

まずGOOGLEの経営理念だが、
「GOOGLEが発見した10の事実」として紹介されている。

1. ユーザーに焦点を絞れば、「結果」は自然に付いてくる。
2. 1 つのことを極めて本当にうまくやるのが一番。
3. 遅いより速い方がいい。
4. ウェブでも民主主義は機能する。
5. 情報を探したくなるのは机に座っているときだけではない。
6. 悪事を働かなくても金儲けはできる。
7. 世の中の情報量は絶えず増え続けている。
8. 情報のニーズはすべての国境を越える。
9. スーツがなくても真剣に仕事はできる。
10. すばらしい、では足りない。

それぞれの項目に詳しい説明が付加されているので、またページの方を見ていただきたいが、企業理念としては少々長く(長すぎる?)なっている。

私なりにまとめると、

「独自の検索技術を(さらに上を目指し)常に磨き続けていく。そしてその技術を武器に世界中の、ネット利用者に(企業、個人を問わず)最高のサービスと幸せを提供して行こう」

実際GOOGLEの検索技術はすごい。IRサイトの創業者の手紙のページでこんなエピソードが紹介されている。

I found some minor swelling after feeling minor pain over a couple of days. A Google search brought up several pages with links to articles, all pointing to the same type of cancer… Without Google I would have ignored and possibly forgotten about the incident until it would have been too late. Google also helped me find the doctor who checked me out the very next day, and who organized surgery for the very same day he identified the cancer. It took me a long time to write and express my thanks to all of you who are working there. You are life savers!-


彼はちょっとした身体の違和感から、GOOGLEの検索により、自分が癌にかかっているかもしれないと気づき、GOOGLEの検索で最高のドクターを探し、即日手術して一命をとりとめた、という話である。


今や人の命をも救う「超高速検索技術」、また詳しく見ていきたい。



2007年6月5日火曜日

GOOGLE





6月4日終値$507.07


今月はネット検索技術を強みに世界を席巻しているネットサービスジャイアント、GOOGLEの企業研究をしていこうと思う。

注:GOOGLEはニューヨークのナスダック市場に上場されており、日本法人はあるが、日本の市場には上場されていない。

簡単な会社の概要を調べてみた。(1ドル121円で換算)

2006年(通年)
売上総額 $10,605million(1兆2832億円)
グロスプロフィット(粗利益) $6,380milliom(7,720億円)
ネットインカム(純利益) $3,077milliom(3,723億円)

時価総額 $158billion(19兆1,180億円)

グーグルを語るにあたって欠かせないのがその巨大なマーケットバリュー(時価総額)であろう。収益性の成長率も素晴らしいが、市場からの評価、期待もまた多大である

2007年5月31日木曜日

スターバックスコーヒー-まとめ

5月31日終値¥55,700

下の様な記事を見つけました。


注目すべきは「最も利用しているコーヒーチェーン」である。トップは、スターバックスの34.7%、次いでドトールの29.7%、この上位2店の合計は64.4%にも達しており、3位以下を大きく引き離している・・・

今やスターバックスは、日本でもイメージだけでなく、利用度でもドトールコーヒーを抜いてトップに立とうとしています。日本でも、喫茶店という形でカフェ文化は100年以上の歴史がある中で、たった10年余りで市場制圧してしまう勢いは驚異的です。


まとめ、ですがスターバックスコーヒーのどんなところが、 「良い企業」なのか?一言で表現すると、

人を大切にする、ヒューマンカンパニー

である、と言えるでしょう。


サービス業とは、人とのつながり、人と人とのコミニュケーションです。しかし、戦後の高度経済成長期、サービス業のあり方とは、なるべく安いコストで人を雇い、原料を購入し、客の回転率を上げる(要するに、なるべく早く客に帰ってもらう)ことによる利益追求をすることでした。

そういう意味ではスターバックスは常識を覆しています。まず、「パートナー」と呼び、好待遇を(パート・アルバイトを含む)従業員に与え、高品質なサービスを提供しています。時給は業界平均より高く、一定期間(2年以上)在籍した従業員には、ストックオプションも与えています

また、「サードプレイス」、と呼び顧客に(自宅や職場と別の)リラックスできるスぺースを提供するため、店内はソファなどが置かれていて座席は広く取ってあり、スペース効率は非常に悪い、と言えます。リラックスした客が停滞して回転率を下げていることも考えられます。

さらに、「C・A・F・Eプラクティス」と呼び、主に中南米やアフリカなどに多い生産者に対し(一定の基準を満たした農家に対し)市場価格より高い値段でコーヒー豆を購入することで、生産者の生活を守り、より良い品質の豆を生産するモチベーションを与えています。


これらの取り組みはすべて、スターバックスが 「人」を大切にしている、ということ表しています。そこで働く人、時間を過ごす顧客、商品を作る生産者、そこには常に人がいます。利益をあげるために人を機械のように使い、モノのようにさばこうとする企業もありますが、スターバックスは血の流れた人間がそのスペースで最高の時間を過ごすために何をすべきかというところに視点を置いている、と考えられます。そして、結果十分な利益をあげています。


スターバックスから学べることは、とにかく企業に関わる「人」、を大切にする、ということでしょう。それは時に目先の利益を犠牲にしても、その多くの「人」の笑顔は廻り廻っていつか必ず企業に利益をもたらすということです。



いくつか課題もあります。


まずは資本構成ですが、スターバックスの株主構成は、40.1%が米国スターバックス本社(の資本管理子会社)、40.1・%がサザビーリーグという日本の会社によって保有されています。このサザビーリーグという会社は、傘下に多くの雑貨小売店などを保有し、ブランド管理している持ち株会社的な企業ですが、この会社の社長である鈴木陸三氏が、日本にスターバックスブランドを輸入してきた人物であるようです。しかし、40.1%という持ち株率は非常に大きく、またこれらの株は買収防衛策であると同時にいざというときにいつでもスターバックス本部に売り戻す契約ができているものと想定できます。


要するにスターバックスジャパンは、日本の会社として独自性を出すことは難しく、完全に市場に公開されているとは言い難い、ということです。


さらに、米国スターバックス本部に支払いロイヤリティーと銘打って、43.6億円も支払っており(支払い手数料としてさらに12億円が計上されているが内容は不明)これは会社の当期利益が25.1億円であること、コーヒー豆はすべてを米国スターバックスから購入(233.8億円)しておりその販売利益も多額であること考慮すると無視できない金額です。またこれらの支払いが全て「販売費及び一般管理費」として計上されているため、高水準の粗利益率(71.3%)に対して、営業利益率(6.4%)の水準は高くないと言えます。

さらに前期配当金(2.1億円)の40.1%も米国本社に支払われます。

これら米国本社との関係は、今後日本でのビジネスが大きくなっていく過程で見直されていくべきである、と感じます。セブンイレブンジャパンやマクドナルドジャパンのように、輸入されたものを日本独自の文化として、日本で育てていく能力も日本市場は持っています。今後スターバックスジャパンが、資本的に独立して、日本らしいスターバックス、高級カフェを創って行っても面白いと思います。(高級緑茶や和菓子の提供など)


今後もスターバックスが、素晴らしい企業として、日本で、そして世界で活躍することを心から期待しています。

2007年5月28日月曜日

スターバックスコーヒー-財務2

5月28日終値¥57,400

引き続き決算短信の分析です。


まず目を引くのが、既存店の増収率(通年105.6%)


フランチャイズなどのチェーン店は、出店による増収を重視するあまり、既存店の収益を犠牲にする傾向がありますが、スターバックスはその店舗の殆どが直営で運営されているため、適切な出店により増収はしているものの、既存店舗も堅実に伸ばしているところは注目されます。


出店戦略も非常に効率的であり、前期87店舗の出店をしてい増すが、退店はわずか3店舗に過ぎません。(純増84店舗 期末686店舗)
以前成長途上であることを強く印象付けられますが、現代の飲食店の商環境の中では異例の出店成功率と言えます。

ちなみに日本最大のフランチャイズチェーンのセブンイレブンは今期900店舗の出店を予定している一方450店舗を閉鎖すると発表しています。1万店を超えるメガ・チェーンですが、年間450(1都道府県あたり10店舗程度)も閉鎖、要するに出店失敗している、ということになります。


さらに注目すべきはキャッシュフローの状況です。
こちらはまさに米国企業(の日本法人)らしいというか、キャッシュフロー経営のお手本と言えます。

  • 営業CF 55.8億円
  • 投資CF -56.3億円
  • 財務CF -12億円

営業CFの範囲で成長投資を行い、手持ち資金を減らして(現金および現金同等物は前期末59.1億から今期末46.7億に約12.4億減少)有利子負債の返済に充てています。


上のように積極的に有利子負債を返済しているため自己資本比率(62.1%)も高く、また資産の除却(1.2億)や減損(1.1億)もしっかり行っているため、収益状況はもちろん、資産状況も非常に健全です

2007年5月26日土曜日

スターバックスコーヒー-財務1

5月25日終値¥57,200


財務分析の前に株価ですが、1年間を通して、¥45,000~¥60,000に収まっています。これは昨年度の利益(1株¥1,250)をもとにしたPERで、36倍~48倍と非常に高い水準ですが、今期の1株利益は¥1,766(PER32倍)と、市場の高い期待にしっかりと応えています。







何よりも上の金額1株から購入が可能なため(5万円程度で株投資ができる)、株投資に及び腰だった若い世代を多く市場に引き込んだ功績は、計り知れません。(株主優待で1株2枚のコーヒーチケットもスタバファンを惹きつけました。)



スターバックス07年3月期の決算発表が先週(17日)ありました。


  • 売上789億円(前期比16%増)
  • 営業利益50億円(同39%増)
  • 経常利益51億円(同36%増)
  • 純利益25億円(同41%増)

上は簡単なサマリーですが、売上の順調な伸び以上に利益の伸びが大きいことが特徴です。計画的な出店戦略と共に、積極的な業務の効率化により、利益率を高めています。

効率化については短信に詳しい説明はありませんが、

「一昨年前より取り組んできた物流に関する業務プロセスの改革については、当事業年度に販売管理システムの刷新ならびに倉庫管理システムとの統合を行い、店舗から取引先まで包括的な業務プロセスの効率化を図りました。」

とあります。システムレベルでのサプライチェーンマネジメントの徹底による、業務効率化と取れますが、財務諸表分析でわかる部分があれば、抜き出していきます。

2007年5月22日火曜日

スターバックスコーヒー-ブログ

5月21日終値¥54,800


スターバックス関連のブログをいくつかの角度から分析してみます。


スターバックス社員(パートナー)の方のブログを探しているのですが、なかなかうまく見つけられません。スターバックスジャパンの店舗が07年3月期末で686店舗、正社員人数が1,797人、パート・アルバイトが13,821人、合計15,618人06年9月末)いるわけですから(ちなみに1店舗平均のパートナーの人数は22.77名、世界規模では145,000名のパートナーがいます。)、相当数のパートナーブログがあるはずです。



こちらの方は学生バイトとして、スターバックスのパートナーをされていたようです。



「今までミスドとモスでバイトしてきたんだけど、スタバが一番やり甲斐を感じられて従業員が働きやすい環境にあったと・・・」

「その違いは…従業員育成の体制です!勉強会みたいのがあって始めはめんどくさいとか思ってたんだけど・・・」


たかい満足度です。教育されていた従業員として、(バイトなのに)しっかり満足してその教育を受けられていたことがわかります。



こちらの方はやはり学生バイトとして、現在も働いておられます。



「アルバムは、パートナー一人一人の写真と四年生一人一人へのメッセージ・・・」


スタッフ同士が「パートナー」、と実際に呼び合っていることがわかります。


「タンブラーはクリエイトタンブラーを使用・・・」


大学を卒業し、パートナーも卒業される方へ、タンブラーをプレゼントしたようです。こんなものも(オリジナルタンブラー)やってるんですね。



いろいろ見ていると、わかるのが、スターバックスでのバイトは学生(特に大学生)の人気バイトであるようです。人気があるだけに学生の中では質の高い人材を集めていることが見てとれます。しかし、学生は卒業したらやめてしまうので、従業員満足度が高くても、定着率の向上にはつながらない、という問題があります。


その点、本場アメリカでは、社会人として、(大学を卒業した後も)パートナーとして胸をはって働いておられる方々も多く、今後いかに日本的就業慣習を打ち破って、社会人パートナーを集めるか、というのは課題になってくるでしょう。


2007年5月19日土曜日

スターバックスコーヒー-CSR

5月18日終値¥54,100



17日にスターバックスコーヒージャパンの06年3月期決算発表がありました。

大方予想通り、売上、利益共に順調に伸ばしています。


  • 売上高 789億円

  • 当期純利益 25億円

  • 既存店前年比 105.6%

今期(07年3月期)も800億円を大きく超える予想をしており、さらなる成長が期待されます。
また財務分析で詳しく見ていきます。





スターバックスを言えば、その人事戦略と共に、CSR(企業としての社会的活動)への積極的な取り組みも有名です。(人事戦略もCSRの一環と言えますが)



スターバックスはCSRアニュアルレポートを公開しています。またHP上でも、要約したものをわかりやすく説明してあります。



中でもC.A.F.Eプラクティスと呼ぶ、コーヒー農家との積極的な結びつきが注目されます。



コーヒー生産者は、アフリカや中南米などの発展途上国に多いのが特徴です。さらにコーヒー豆の価格は市場取引によって、大きく変動するため、コーヒー農家の収入源は不安定になりがちです。また、規模の生産性が働くため大規模農家が、大型機具を導入し、労働者を安価に雇用することで、大量生産をすることで豆の価格をさらに下げ、中小規模のコーヒー農家を苦しめている、という現状もあります。



そこでスターバックスは、CAFEプラクティスにより、28の基準(品質管理体制、環境保護姿勢、児童労働者の状況など)を儲け、基準を満たした質の高い中小規模の農家と契約し、取引をする、という独特の手法を取り入れています。



具体的には、グローバルデータ(世界全体の資料)でスターバックスは06年に2億9400万ポンドのコーヒーを仕入れていますが、その中の1億5,500万ポンド(52.7%)と半分以上をこのCAFEプラクティス契約農家から仕入れています。


そして06年の世界のコーヒーの取引平均価格が1.04ドル/ポンドなのですが、スターバックスの取引の平均価格は1.42ドル/ポンドと市場価格より40%近く高くなっています。(この平均価格はスターバックスの取引全体のものなのでCAFEプラクティス契約農家との取引価格はさらに高くなっているはずです)


これらの取り組みは単に品質の高いものを仕入れるというだけでなく、サプライチェーンの入り口の生産者と積極的に関わり、生産者に(良いものを作っているという)誇りを与えること で、さらなる品質の向上と、コーヒー生産国の生活レベルの向上を目指しているものであると、考えます。

そして、その誇りはコーヒー豆の肥料となり、良質のおいしいコーヒーを飲むことができる顧客に還元され、さらにはその顧客満足がスタッフの満足につながり、利益をあげることで最終的には投資家にも還元されていきます。


ちなみにスターバックスはグローバルレベルで06年に3,610万ドル(約43億円)の寄付を行っています。(コーヒー農家に関するもので270万ドル

2007年5月16日水曜日

スターバックスコーヒー-人事戦略

5月16日終値¥52,100

スターバックスはその人事戦略において、強い特徴があり、またその人事戦略こそが企業としての大きな強みとして現在までの継続的な成長に寄与してきたと見て良いでしょう。

なぜスターバックスのような飲食業において人事戦略が重要なのか。

それはやはり、優秀な人材確保の困難性でしょう。どうしても「喫茶店の店員」、「バイト」、または「フリーター」のような見られ方、レッテルを世間から貼られてしまいがちです。そのため、まず優秀なスタッフ(アルバイト、パートを含む)の獲得が難しく、またせっかく入社したスタッフも定着率が低くなりがちな業種特性があります。

スターバックスではアルバイト、パートを含むすべての従業員をパートナーと呼び、人材の評価、働きやすい職場環境、福利厚生の充実 等において特に気を配っています。また顧客に対しては、バリスタと呼び、コーヒーのエキスパートとして接しています。

まず具体的には、アルバイト(多店舗展開の飲食業において、店舗スタッフの多くを非正規雇用で確保することは避けられない)の時給1、250~1、688円業界平均(1、047円)を上回っています。

またアルバイト、パートも含むすべてのパートナーにストックオプションを与え、すべてのスタッフが企業全体の成長に、志を共にする仕組みは世界的にも有名です。



従業員を尊重し、正しく対応する」

というモットーは人事コンサルティングなどでも、しばしば模範にされています。

その取り組みは、

  • (人事上の問題が生じたときは)2週間以内に、しかるべき管理職が問題を提示したパートナーと話し合う
  • パートナーから出されたアイデアは、たとえそのパートナーがアルバイトであっても積極的に耳を傾け、優れた内容であれば新メニューの開発などにためらいなく反映させていく
  • 2年に一度の世界中のパートナーへの意見調査と積極的なフィードバックをする

などのように数多くのソフト対応にも現れています。

すべてこれらの人事戦略は

世界中で働くすべてのスタッフ(パートナー)にスターバックスで働く、という誇りを与え、スタッフ一体となって良い企業を作るため

であると考えます。

またスターバックスの人事戦略については、実質的な創業者であるハワード・シュルツ氏の有名な著書に詳しく書かれています。

2007年5月13日日曜日

スターバックスコーヒー-商品戦略2

5月11日終値 ¥53,900

スターバックスの商品戦略は、まさにミッションステイトメントに謳っている多様性に富んでいると言えるでしょう。

まずは本日のコーヒー(coffee of the day)
と銘打って、ブレンドを日替わりにして提供しているところです。これは現在では多くのカフェでこの形を取り入れていますが、スターバックスが現れる前には「ブレンドコーヒー」として、店舗のオリジナルブレンドでありながら、基本的には毎日同じブレンドというのが一般的でした。

さらにはカスタマイズと飲食業とは思えないインパクトのある取り組みもしています。
これはコーヒーにエスプレッソのショットを加えて濃度を調整(?)したり、各種ミルク(低脂肪や無脂肪、豆乳、クリームなど)やシロップなども多様なセレクトでテイスト調整をできる仕組みを取り入れています。

コンディメントバーと呼ぶテーブルで自らミルク等を加えるシステムは当初はびっくりさせられたものです。しかし、顧客にテイストを調整させることで一人一人違う味のコーヒーを提供する。それはまさに現代の多様性の時代にフィットし、スターバックスブームを巻き起こした要因の一つと言えます。


スターバックスの売上構成を見ると、
06年3月期で、
  • ビバレッジ 73.5%(約500億円)
  • ペストリー 17.0%
  • コーヒー豆 4.3%
  • コーヒー器具 4.5%

と、その売上の大部分をビバレッジ(飲料)で稼いでいることがわかります。ドトールコーヒーは売上構成を決算資料で好評していませんが、コーヒーの価格や、レストランなどもグループとして経営していることを考えると、飲料の売上比率はスターバックスと比較してもかなり低いと予想できます。

飲料だけで500億円を稼ぎ出すスターバックスは最強の水商売企業と言えます。

水商売、というのは飲料と共に雰囲気や付加サービスを提供し、高い利益率を稼ぎ出すという意味です。スターバックスの粗利益率は71.1%(ドトールの49.7%)とまさに驚異的です。

一方ビバレッジをコア商品として利益を稼いでいるため、ペストリー(サンドイッチやケーキ)メニューの価格は比較的低く抑えています。(ドトールなどの食事メニューとあまり変わらない)これはドトールコーヒーがコーヒーの価格を低く抑えることで集客し、食事メニューで利益をあげているビジネスモデルと対象的で面白いところです。

2007年5月10日木曜日

スターバックスコーヒー-商品戦略1

5月10日終値  ¥54,400


スターバックスの商品戦略について分析する。

分析については主に、国産カフェの雄、ドトールコーヒーを比較対象にしていこうと思う。

ここで個人的に驚いたのがスターバックス(06年3月期:679億円)は企業としての売上規模で、既にドトール(同638億円)を追い抜いてしまっていたことである



これはドトールが各種の直営店300店舗と、その他はFC展開による卸事業で店舗網を広げている(07年3月期:全1470店舗)のに対し、スターバックスは639店舗(06年9月)の殆どを、直営店展開しているため、売上がそのまま計上できるという違いがあるものの、62年創業で40年以上の歴史がある国内ブランドを、96年に一号店を出したアメリカのカフェが10年足らずで(売上を)抜き去ってしまったというのは、日本人としては少し複雑な気分です。




商品戦略ですが、


基本であるホットコーヒーですが、
スターバックス本日のコーヒーと呼んでいるもの、

これがショートで280円(昨年11月に260円から20円値上げ)



基本的にはドリンクではこの本日のコーヒーのショートが最低料金、その他のドリンクは300円台のラインが多く、フラペチーノ(氷などとミックスし、クリームなどを加えたスターバックスオリジナルヒット商品)等ではトールサイズで440円からとなっている。サイズの大きなものでは500円を超えるビバレッジメニューもある。

対するドトールコーヒーだが、

基本のブレンドコーヒーがスモールで180円

と、スターバックスとは100円の開きがある
その他のドリンクも大体200円台から300円台に納まり、カラメルプリンラテやフレッシュオレンジジュースがスモールで300円というところが最も高い商品ラインである。

ちなみにドトールは「100円台のおいしいコーヒー」というコンセプトを長く続けており、現代の物価ではいささか苦しくなってきてはいるものの消費者としてはうれしい限りであり、応援したい。

2007年5月6日日曜日

スターバックスコーヒー-経営戦略

5月7日終値 ¥54,500

まず始めにミッション宣言としてHPに公開されているスターバックスコーヒーの企業理念を見てみました。(これはstarbuckscoffee本体のMission Statementのほぼ直訳と言ってよいと思います。)

お互いに尊敬と威厳をもって接し、働きやすい環境をつくる
・事業運営上での不可欠な要素として多様性を受け入れる
・コーヒーの調達や焙煎、新鮮なコーヒーの販売において、 常に最高級のレベルを目指す
・顧客が心から満足するサービスを常に提供する
・地域社会や環境保護に積極的に貢献する
・将来の繁栄には利益性が不可欠であることを認識する

これは要約するならば、

  1. 快適な職場環境
  2. 脱マニュアル主義
  3. 高品質な商品の提供(サプライチェーンの一括管理体制)
  4. 顧客満足
  5. 地域密着、環境志向(CSR)
  6. 利益追求

一番最初の項に、職場環境が来ているところが、(パートを含めた)社員を大切にする企業文化が良く現れています。あとは5のCSRですが、ウェブページを一通り見ただけでもスターバックスがいかにCSR(企業の社会的責任:企業活動により社会をよりよくする取り組み)に力を入れているかがわかります。

続いて、HPのスピリットのページですが、

こちらのページで繰り返している、

「おいしいコーヒーだけではなく、バリスタのもてなし、そして居心地のいい空間」

この文章がスターバックスの事業ドメインをうまく表現しています。言い換えると

  1. 高品質のコーヒー(とその関連商品)を、
  2. 高品質のサービス体制で、(高品質なスタッフにより)
  3. 高品質な雰囲気と共に提供する。

ということになります。スターバックスは高品質なコーヒーの提供のために、豆の買い付け段階から、徹底的にこだわった品質管理をしていますが、(標高900M~1500Mの高地産の豆に限定して、カッピングと呼ぶテイスティングはシアトル本社での一括管理、最低3回のカッピングを合格した豆のみを買い付ける等)独特なのは店舗の雰囲気です。大きなソファがあったり、高級家庭のリビングのような店内に当初びっくりしたものです。

これをスターバックスでは、サードプレイスと呼んでいます。

家庭でも職場でも学校でもない3番目の場所、「サードプレイス」に、世界中の人々がひきつけられたのです。

2007年5月3日木曜日

スターバックスコーヒー


5月2日終値 ¥54,500



今月は、「良い企業としてスターバックスコーヒーを取り上げます。

スターバックスコーヒーは、アメリカでは71年の創業、日本に入ってきたのは90年代と、比較的新しい会社です。

売上は日本では07年3月期で700億円を超え、グローバルでは1兆円に届こうか(78億ドル)、というところまで伸びてきています。

良質な商品ともに店舗内での雰囲気も販売する、というビジネスモデルもまさに新しく、見るべきところも多い企業です。

特に人事戦略に、特徴があるようです。


スターバックスコーヒージャパン
STARBUCKSCOFFEE

2007年4月30日月曜日

トヨタ自動車-まとめ

27日終値 ¥7,320

ここまでいくつかの角度から、トヨタという企業を見てきましたが、

どんなところが「良い企業」なのか、一つのポイントにまとめて見ました。

ドメインを自動車にこだわり続けている

現時点でトヨタは時価総額で世界のトップテンに入っています。この現在の(市場規模においての)世界のトップテン、または50位以内までの企業をみても、トヨタほど事業ドメインが絞られている企業はないのではないでしょうか?(50位以内の企業の殆どがエネルギー、金融、製薬など独特の業界文化を持つ大企業であり、コングロマリット化している企業も多い。企業形態が複雑で分析の仕様がなく、企業としての魅力も感じられない。)

高度成長期に住宅事業を始めているものの、規模は小さく(1、381億)、金融事業については一兆円クラスの規模(9,969億)を持つが、自動車販売に不可欠な金融商品の提供が殆どである。

これほどの規模、ブランド、資金を持ち、横に広がることなく筒を縦に、縦に伸ばし続けている企業は珍しいのではないでしょうか?これは、資金もブランドもないのに、現状のドメインに見切りをつけ、いろいろな事業に色気を出す中小企業にとっても見習うべき大きな手本であると感じます。

トヨタから学ぶことのできる、企業哲学は、

自らの企業の事業ドメインを徹底的に見つめる

ことでしょう。

将来性のない事業領域にある企業は、時にはドメインを移行せざるを得ないかもしれませんが、トヨタの精神的親企業であるトヨタ自動織機は、織機という、正直現在では地味な事業ドメインで、長い歴史を持ち、この時代においても優良企業として立派に存立しています。

そのトヨタ自動織機から喜一郎の起こした社内ベンチャーがトヨタ自動車なのです。


分析していて感じた課題はやはりいくつかありますが、

一つは急成長の後のソフトランディングです

トヨタはその長い歴史で成長を続けていますが、この2000年を過ぎてからの急激な成長は、おそらくトヨタ自身にとっても想定を超えるレベルではないかと感じます。

トヨタの強みはやはりその効率的な生産方式、これは自働化、およびジャスト・イン・タイムと言われるもので、世界でも模範とされる徹底的な効率化、そしてその結果は営業利益、又は在庫水準に現れてきます。

先に示したように、トヨタの営業利益率は9%前後と、相変わらず高水準であるものの、特に成長が加速している05年、06年はその水準が若干下がっています。
詳しく分析すると、06年3月の貸借対照表では、在庫水準が連結の棚卸資産で3000億円(24%)程度、単体では製品、原材料、仕掛品と全てにおいてその水準が上がり700億円(33%)の増加となっています。このあたりの数字から急成長の裏にある現場の小さな悲鳴も聞こえてきます。


もう一つはグローバル展開の今後です。

トヨタでは端的に言うと現状国内生産(468万台)の約半数を海外、主にアメリカへ輸出しています。これはアメリカ等の販売好調な地域には工場誘致を進めている反面、国内生産も守り続ける強い意志が感じられます。

しかし日本国内も北米も今後は自動車需要そのものは頭打ちになってくる中でシェアの奪い合いになってきます。一方今後需要の伸びが予想される中国、インドなどでは日本での生産輸出では、物価のギャップが大きいため、現地生産で対応していくしかありません。この地域での遅れをどのように取り戻していくか、期待されます。


最後に今後のトヨタに期待することです

トヨタは今年にも、世界ナンバーワンの製造業となり、その後短くても10年はそこに君臨し続けることでしょう。自動車事業の市場で戦ってきたトヨタの市場的指名はここである程度区切りがついたと思います。今後も今の2倍も3倍も自動車を売り続けることは不可能ではないが、それはトヨタの進む道ではないでしょう。

今後は社会的使命を、世界の舞台で果たしてもらいたい。現在行っている自動車の環境適応化はもちろん、トヨタの培った生産ノウハウを中東や、アフリカなどの途上国でも布教活動のように広めて欲しい。ムダのない、効率的な生産ノウハウは、現地へ送る食料以上に長期的には彼らを救うことになるはずである。

素晴らしい企業、トヨタが、今後も素晴らしい企業活動を展開していくことを確信しています。そして素晴らしい企業の経営参加(株投資)をすること、できることはまた素晴らしく、そして安全である、ということです。

2007年4月29日日曜日

トヨタ自動車-財務2

続いてキャッシュフローですが、

簡単にまとめると
  • 営業CF 2兆5154億(純利益1兆3721)
  • 投資CF -3兆3755億
  • 財務CF 8769億
  • (為替換算差額 687億)
ということで正味856億円の資金の増加となっています。

純利益による、CF貢献額が1兆円を超えているところはもちろんすごいのですが、成長している中で有形固定資産を、賃貸資産をあわせると期間中に2兆7,712億購入しています。

上の固定資産の購入額ですごいところは、その額が期間中の営業CFを超えているところです。通常の安定優良企業のセオリーは、営業CFの範囲内で(将来に向けた)投資をする、ということですが、トヨタのような歴史のある、超メガ企業が新興企業のように営業CFを超える投資をしているわけです。

さらなる成長への貪欲さ、が感じられます。

また財務CFの内訳の中で、
  • 配当金 2445億円
  • 自己株式取得 1296億円
成長投資をしている反面、株主還元にも多額の資金を割いています。特に以前から積極的に自己株式の取得をしている姿勢に関しては、株価が下がっても自社買いをする、またそれが良く知られていることから、株価が下がりにくい大きな要因とも言えます。

ちなみにトヨタの持つ現金および現金同等物は1兆5693億円
この額はどのような額か、というと
例えばトヨタがPC市場に進出しようと思えば、富士通(時価総額1兆5649億)を、
原材料の鉄鋼事業に乗り出そうと思えば、神戸製鋼(同1兆3239億)を、
それぞれキャッシュで買収してしまうことが可能である、という額です。
(と言ってもトヨタはそういう強引な反社会的拡大政策をとるような企業ではありませんが。)


次にトヨタの国家貢献度ですが、

トヨタは18年3月期で、約8000億円(7,951億)の税金を国に納めています。同期間の国全体の法人税収が約13兆円ですから、国の税収の6.2%をトヨタが企業として収めているわけです。日本に企業は約430万程度存在するので、一つの企業が税金をそれだけ(6%)払っているというのがいかにすごいかがわかります。

またトヨタには連結にすると28万6千人程(単独65,798人)の従業員を抱えているため、彼らの納める所得税も合わせたなら、ものすごい金額をトヨタは国に納めていることになります。

まさに、トヨタは国家財政を支えているのです