2007年9月9日日曜日

タビオ-経営理念

9月7日終値¥1,762




この会社の経営理念は上のようにHPのスピリットのページに表示されており、とてもユニークである。

見えにくいので下にコピーすると、

凡そ、商品は造って喜び、売って喜び、買って喜ぶようにすべし、
造って喜び、売って喜び、買って喜ばざるは、道に叶わず。(二宮尊徳)


と書いてある。「道に叶わず」などとあるが、この社長は随分と仏教を深く信仰(二宮の報徳思想では仏教・神教・儒教の概念が含まれている)しているようで、ところどころにこのような、仏法のような言葉が出てくる。昨今、よく企業経営者などの不祥事がニュースになるが、仏教に限らず、信仰心の強い経営者は悪いことはしない、という感じがする(偏見かもしれないが)。日本はやはり信仰心は薄い国だし、どうしても利益追求(金儲け)が強い起業モチベーションになってしまうし、逆に金銭欲のない人種(特に最近の若者)にとって、起業する意味というのは見つけるのが難しい。

自ら事業を起こして、生涯生活を支えることは並大抵のことではない。しかし、企業社会が成熟した現代に生き残った日本企業に勤めれば(サラリーマンになれば)、例え転職で渡り歩いたとしても、ある程度の豊かな生活は保障されている。うまくいって大企業の幹部などになれば、年収数千万円は夢ではない。要するに生活を考えて、金銭計画を立てて人生設計をしていくならば、起業リスクというものはあまりにも大きい。

とにかく「この世の中を良くしたい」、「自らの存在を(アイデアを)この世に残したい」、または「人を助けたい」などという、ある意味宗教心のようなモチベーションがなければ起業は出来ないし、何より重要なのは、

金儲けを夢見て多くの若者が起業した60年代、70年代の企業の中で、生き残ったのがこのタビオ(68年創業)のような精神的な理念を創業時からしっかりと掲げていた企業だった、

ということである。

また補足すると、上の理念の中でやはり「造る」という概念がしっかり入っていること、ものづくりに対する気持ちの強い会社である。


また社長の挨拶のページの一番最初に、

なんていう言葉がある。最初は正直よく意味がわからなかったのだが、サイトのいろんなページを読んでいるうちにわかってきた。要するに

「靴下というのは(体重が思いっきりかかって、擦り切れて、ひどい目にあっているのに目立たない)かわいそうな存在である。靴下の気持ちになって仕事をしよう」

いう意味であろう。ちょっと普通では想像の及ばない、すごい視点を持った社長である。

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