2007年9月29日土曜日

タビオ-財務

9月28日終値¥2,060

タビオの財務分析を決算短信より行ってみた。

個々の項目をチェックしていっても特に目立ったところはない。印象としては、問題のない、小規模な上々優良企業という感じである。

しかし、前期からの成長率を見ると、これは特筆している。

タビオの過去5年間の売上と経常利益(個別)の推移を見ると、

02年売上79億、経常2.0億
03年売上84億、経常5.4億
04年売上84億、経常4.8億
05年売上91億、経常4.9億
06年売上110億、経常利益10.1億

05年までは堅調な営業成績ではあるものの、多少停滞感があることも否めない。しかし05年から06年に懸けては、売上の20%ほどの増加もそれまでの推移から見ると突然であるが、何より営業利益、経常利益、純利益と全ての利益分野で倍増を成し遂げている。





では一体06年期(07年2月期)に売上、利益が急増した理由は何か?

残念ながら、公開されている損益計算書では読み取ることが出来ない。原価率の低下と、販菅比率の低下によるものだが、その内訳は明確でない。

しかし05年期から06年期にかけての原価率の低下は約2%(49.6%から47.5%)、販菅費(販売費及び一般管理費)の低下率は2%弱(45.6%から43.9%)ほどである。

要するに売上の20%の増加(これは容易ではないが)に加え、原価率と販菅費を2%下げるだけで利益を倍増することが出来る

という、一種の経営上のマジックのようなものを見せてもらった(もちろんそれぞれの分野での地道な努力や経営の合理化策などが隠されているのだろうが)。

あえて経営分析するのであれば、連結では売上が21.5%増加し、急成長過程にあるにも関わらず、在庫(商品)増加率は20%以下(19.7%)に抑えているところである。商品回転率も23.09(06年期)と日数にして15.9日と一ヶ月に2回転近くしている計算になり、非常に優秀な数字である。タビオは今期も20%~30%の成長を続けており、このような堅実な在庫投資で高い成長を遂げていることはまさに高度なSCM(サプライチェーンマネジメント)を実証している

タビオの決算短信を見ていて面白いことに気づいた。

経営目標のところで、「売上高経常利益率、国内シェアともに11%を目標とする。」とあり随分、半端な数字だな・・・と感じたのだが、

良く見るとタビオの資本金(経営者がある程度任意に決めることが出来る)は、
333,444千円
である。

発行済み株式数は
6,668,880株

きっと社長は並び数字が好きなのだろう。財務諸表分析をしていてこういうちょっとした経営者の遊びを見つけることは、とても楽しい。またこういうのは大企業では中々なくて、本当につい最近まで中小企業だったんだな、という匂いがしてまた良い。


さらに東京事務所の電話番号は
03-3323-7111

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