2007年4月29日日曜日

トヨタ自動車-財務2

続いてキャッシュフローですが、

簡単にまとめると
  • 営業CF 2兆5154億(純利益1兆3721)
  • 投資CF -3兆3755億
  • 財務CF 8769億
  • (為替換算差額 687億)
ということで正味856億円の資金の増加となっています。

純利益による、CF貢献額が1兆円を超えているところはもちろんすごいのですが、成長している中で有形固定資産を、賃貸資産をあわせると期間中に2兆7,712億購入しています。

上の固定資産の購入額ですごいところは、その額が期間中の営業CFを超えているところです。通常の安定優良企業のセオリーは、営業CFの範囲内で(将来に向けた)投資をする、ということですが、トヨタのような歴史のある、超メガ企業が新興企業のように営業CFを超える投資をしているわけです。

さらなる成長への貪欲さ、が感じられます。

また財務CFの内訳の中で、
  • 配当金 2445億円
  • 自己株式取得 1296億円
成長投資をしている反面、株主還元にも多額の資金を割いています。特に以前から積極的に自己株式の取得をしている姿勢に関しては、株価が下がっても自社買いをする、またそれが良く知られていることから、株価が下がりにくい大きな要因とも言えます。

ちなみにトヨタの持つ現金および現金同等物は1兆5693億円
この額はどのような額か、というと
例えばトヨタがPC市場に進出しようと思えば、富士通(時価総額1兆5649億)を、
原材料の鉄鋼事業に乗り出そうと思えば、神戸製鋼(同1兆3239億)を、
それぞれキャッシュで買収してしまうことが可能である、という額です。
(と言ってもトヨタはそういう強引な反社会的拡大政策をとるような企業ではありませんが。)


次にトヨタの国家貢献度ですが、

トヨタは18年3月期で、約8000億円(7,951億)の税金を国に納めています。同期間の国全体の法人税収が約13兆円ですから、国の税収の6.2%をトヨタが企業として収めているわけです。日本に企業は約430万程度存在するので、一つの企業が税金をそれだけ(6%)払っているというのがいかにすごいかがわかります。

またトヨタには連結にすると28万6千人程(単独65,798人)の従業員を抱えているため、彼らの納める所得税も合わせたなら、ものすごい金額をトヨタは国に納めていることになります。

まさに、トヨタは国家財政を支えているのです

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