17日にスターバックスコーヒージャパンの06年3月期決算発表がありました。
大方予想通り、売上、利益共に順調に伸ばしています。
- 売上高 789億円
- 当期純利益 25億円
- 既存店前年比 105.6%
今期(07年3月期)も800億円を大きく超える予想をしており、さらなる成長が期待されます。
また財務分析で詳しく見ていきます。
スターバックスを言えば、その人事戦略と共に、CSR(企業としての社会的活動)への積極的な取り組みも有名です。(人事戦略もCSRの一環と言えますが)
スターバックスはCSRアニュアルレポートを公開しています。またHP上でも、要約したものをわかりやすく説明してあります。
中でもC.A.F.Eプラクティスと呼ぶ、コーヒー農家との積極的な結びつきが注目されます。
コーヒー生産者は、アフリカや中南米などの発展途上国に多いのが特徴です。さらにコーヒー豆の価格は市場取引によって、大きく変動するため、コーヒー農家の収入源は不安定になりがちです。また、規模の生産性が働くため大規模農家が、大型機具を導入し、労働者を安価に雇用することで、大量生産をすることで豆の価格をさらに下げ、中小規模のコーヒー農家を苦しめている、という現状もあります。
そこでスターバックスは、CAFEプラクティスにより、28の基準(品質管理体制、環境保護姿勢、児童労働者の状況など)を儲け、基準を満たした質の高い中小規模の農家と契約し、取引をする、という独特の手法を取り入れています。
具体的には、グローバルデータ(世界全体の資料)でスターバックスは06年に2億9400万ポンドのコーヒーを仕入れていますが、その中の1億5,500万ポンド(52.7%)と半分以上をこのCAFEプラクティス契約農家から仕入れています。
そして06年の世界のコーヒーの取引平均価格が1.04ドル/ポンドなのですが、スターバックスの取引の平均価格は1.42ドル/ポンドと市場価格より40%近く高くなっています。(この平均価格はスターバックスの取引全体のものなのでCAFEプラクティス契約農家との取引価格はさらに高くなっているはずです)
これらの取り組みは単に品質の高いものを仕入れるというだけでなく、サプライチェーンの入り口の生産者と積極的に関わり、生産者に(良いものを作っているという)誇りを与えること で、さらなる品質の向上と、コーヒー生産国の生活レベルの向上を目指しているものであると、考えます。
そして、その誇りはコーヒー豆の肥料となり、良質のおいしいコーヒーを飲むことができる顧客に還元され、さらにはその顧客満足がスタッフの満足につながり、利益をあげることで最終的には投資家にも還元されていきます。
ちなみにスターバックスはグローバルレベルで06年に3,610万ドル(約43億円)の寄付を行っています。(コーヒー農家に関するもので270万ドル)
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