スターバックスの商品戦略は、まさにミッションステイトメントに謳っている多様性に富んでいると言えるでしょう。
まずは本日のコーヒー(coffee of the day)
と銘打って、ブレンドを日替わりにして提供しているところです。これは現在では多くのカフェでこの形を取り入れていますが、スターバックスが現れる前には「ブレンドコーヒー」として、店舗のオリジナルブレンドでありながら、基本的には毎日同じブレンドというのが一般的でした。
さらにはカスタマイズと飲食業とは思えないインパクトのある取り組みもしています。
これはコーヒーにエスプレッソのショットを加えて濃度を調整(?)したり、各種ミルク(低脂肪や無脂肪、豆乳、クリームなど)やシロップなども多様なセレクトでテイスト調整をできる仕組みを取り入れています。
コンディメントバーと呼ぶテーブルで自らミルク等を加えるシステムは当初はびっくりさせられたものです。しかし、顧客にテイストを調整させることで一人一人違う味のコーヒーを提供する。それはまさに現代の多様性の時代にフィットし、スターバックスブームを巻き起こした要因の一つと言えます。
スターバックスの売上構成を見ると、
06年3月期で、
- ビバレッジ 73.5%(約500億円)
- ペストリー 17.0%
- コーヒー豆 4.3%
- コーヒー器具 4.5%
と、その売上の大部分をビバレッジ(飲料)で稼いでいることがわかります。ドトールコーヒーは売上構成を決算資料で好評していませんが、コーヒーの価格や、レストランなどもグループとして経営していることを考えると、飲料の売上比率はスターバックスと比較してもかなり低いと予想できます。
飲料だけで500億円を稼ぎ出すスターバックスは最強の水商売企業と言えます。
水商売、というのは飲料と共に雰囲気や付加サービスを提供し、高い利益率を稼ぎ出すという意味です。スターバックスの粗利益率は71.1%(ドトールの49.7%)とまさに驚異的です。
一方ビバレッジをコア商品として利益を稼いでいるため、ペストリー(サンドイッチやケーキ)メニューの価格は比較的低く抑えています。(ドトールなどの食事メニューとあまり変わらない)これはドトールコーヒーがコーヒーの価格を低く抑えることで集客し、食事メニューで利益をあげているビジネスモデルと対象的で面白いところです。
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