引き続き決算短信の分析です。
まず目を引くのが、既存店の増収率(通年105.6%)
フランチャイズなどのチェーン店は、出店による増収を重視するあまり、既存店の収益を犠牲にする傾向がありますが、スターバックスはその店舗の殆どが直営で運営されているため、適切な出店により増収はしているものの、既存店舗も堅実に伸ばしているところは注目されます。
出店戦略も非常に効率的であり、前期87店舗の出店をしてい増すが、退店はわずか3店舗に過ぎません。(純増84店舗 期末686店舗)
以前成長途上であることを強く印象付けられますが、現代の飲食店の商環境の中では異例の出店成功率と言えます。
ちなみに日本最大のフランチャイズチェーンのセブンイレブンは今期900店舗の出店を予定している一方450店舗を閉鎖すると発表しています。1万店を超えるメガ・チェーンですが、年間450(1都道府県あたり10店舗程度)も閉鎖、要するに出店失敗している、ということになります。
さらに注目すべきはキャッシュフローの状況です。
こちらはまさに米国企業(の日本法人)らしいというか、キャッシュフロー経営のお手本と言えます。
- 営業CF 55.8億円
- 投資CF -56.3億円
- 財務CF -12億円
営業CFの範囲で成長投資を行い、手持ち資金を減らして(現金および現金同等物は前期末59.1億から今期末46.7億に約12.4億減少)有利子負債の返済に充てています。
上のように積極的に有利子負債を返済しているため自己資本比率(62.1%)も高く、また資産の除却(1.2億)や減損(1.1億)もしっかり行っているため、収益状況はもちろん、資産状況も非常に健全です。
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