2007年5月31日木曜日

スターバックスコーヒー-まとめ

5月31日終値¥55,700

下の様な記事を見つけました。


注目すべきは「最も利用しているコーヒーチェーン」である。トップは、スターバックスの34.7%、次いでドトールの29.7%、この上位2店の合計は64.4%にも達しており、3位以下を大きく引き離している・・・

今やスターバックスは、日本でもイメージだけでなく、利用度でもドトールコーヒーを抜いてトップに立とうとしています。日本でも、喫茶店という形でカフェ文化は100年以上の歴史がある中で、たった10年余りで市場制圧してしまう勢いは驚異的です。


まとめ、ですがスターバックスコーヒーのどんなところが、 「良い企業」なのか?一言で表現すると、

人を大切にする、ヒューマンカンパニー

である、と言えるでしょう。


サービス業とは、人とのつながり、人と人とのコミニュケーションです。しかし、戦後の高度経済成長期、サービス業のあり方とは、なるべく安いコストで人を雇い、原料を購入し、客の回転率を上げる(要するに、なるべく早く客に帰ってもらう)ことによる利益追求をすることでした。

そういう意味ではスターバックスは常識を覆しています。まず、「パートナー」と呼び、好待遇を(パート・アルバイトを含む)従業員に与え、高品質なサービスを提供しています。時給は業界平均より高く、一定期間(2年以上)在籍した従業員には、ストックオプションも与えています

また、「サードプレイス」、と呼び顧客に(自宅や職場と別の)リラックスできるスぺースを提供するため、店内はソファなどが置かれていて座席は広く取ってあり、スペース効率は非常に悪い、と言えます。リラックスした客が停滞して回転率を下げていることも考えられます。

さらに、「C・A・F・Eプラクティス」と呼び、主に中南米やアフリカなどに多い生産者に対し(一定の基準を満たした農家に対し)市場価格より高い値段でコーヒー豆を購入することで、生産者の生活を守り、より良い品質の豆を生産するモチベーションを与えています。


これらの取り組みはすべて、スターバックスが 「人」を大切にしている、ということ表しています。そこで働く人、時間を過ごす顧客、商品を作る生産者、そこには常に人がいます。利益をあげるために人を機械のように使い、モノのようにさばこうとする企業もありますが、スターバックスは血の流れた人間がそのスペースで最高の時間を過ごすために何をすべきかというところに視点を置いている、と考えられます。そして、結果十分な利益をあげています。


スターバックスから学べることは、とにかく企業に関わる「人」、を大切にする、ということでしょう。それは時に目先の利益を犠牲にしても、その多くの「人」の笑顔は廻り廻っていつか必ず企業に利益をもたらすということです。



いくつか課題もあります。


まずは資本構成ですが、スターバックスの株主構成は、40.1%が米国スターバックス本社(の資本管理子会社)、40.1・%がサザビーリーグという日本の会社によって保有されています。このサザビーリーグという会社は、傘下に多くの雑貨小売店などを保有し、ブランド管理している持ち株会社的な企業ですが、この会社の社長である鈴木陸三氏が、日本にスターバックスブランドを輸入してきた人物であるようです。しかし、40.1%という持ち株率は非常に大きく、またこれらの株は買収防衛策であると同時にいざというときにいつでもスターバックス本部に売り戻す契約ができているものと想定できます。


要するにスターバックスジャパンは、日本の会社として独自性を出すことは難しく、完全に市場に公開されているとは言い難い、ということです。


さらに、米国スターバックス本部に支払いロイヤリティーと銘打って、43.6億円も支払っており(支払い手数料としてさらに12億円が計上されているが内容は不明)これは会社の当期利益が25.1億円であること、コーヒー豆はすべてを米国スターバックスから購入(233.8億円)しておりその販売利益も多額であること考慮すると無視できない金額です。またこれらの支払いが全て「販売費及び一般管理費」として計上されているため、高水準の粗利益率(71.3%)に対して、営業利益率(6.4%)の水準は高くないと言えます。

さらに前期配当金(2.1億円)の40.1%も米国本社に支払われます。

これら米国本社との関係は、今後日本でのビジネスが大きくなっていく過程で見直されていくべきである、と感じます。セブンイレブンジャパンやマクドナルドジャパンのように、輸入されたものを日本独自の文化として、日本で育てていく能力も日本市場は持っています。今後スターバックスジャパンが、資本的に独立して、日本らしいスターバックス、高級カフェを創って行っても面白いと思います。(高級緑茶や和菓子の提供など)


今後もスターバックスが、素晴らしい企業として、日本で、そして世界で活躍することを心から期待しています。

2007年5月28日月曜日

スターバックスコーヒー-財務2

5月28日終値¥57,400

引き続き決算短信の分析です。


まず目を引くのが、既存店の増収率(通年105.6%)


フランチャイズなどのチェーン店は、出店による増収を重視するあまり、既存店の収益を犠牲にする傾向がありますが、スターバックスはその店舗の殆どが直営で運営されているため、適切な出店により増収はしているものの、既存店舗も堅実に伸ばしているところは注目されます。


出店戦略も非常に効率的であり、前期87店舗の出店をしてい増すが、退店はわずか3店舗に過ぎません。(純増84店舗 期末686店舗)
以前成長途上であることを強く印象付けられますが、現代の飲食店の商環境の中では異例の出店成功率と言えます。

ちなみに日本最大のフランチャイズチェーンのセブンイレブンは今期900店舗の出店を予定している一方450店舗を閉鎖すると発表しています。1万店を超えるメガ・チェーンですが、年間450(1都道府県あたり10店舗程度)も閉鎖、要するに出店失敗している、ということになります。


さらに注目すべきはキャッシュフローの状況です。
こちらはまさに米国企業(の日本法人)らしいというか、キャッシュフロー経営のお手本と言えます。

  • 営業CF 55.8億円
  • 投資CF -56.3億円
  • 財務CF -12億円

営業CFの範囲で成長投資を行い、手持ち資金を減らして(現金および現金同等物は前期末59.1億から今期末46.7億に約12.4億減少)有利子負債の返済に充てています。


上のように積極的に有利子負債を返済しているため自己資本比率(62.1%)も高く、また資産の除却(1.2億)や減損(1.1億)もしっかり行っているため、収益状況はもちろん、資産状況も非常に健全です

2007年5月26日土曜日

スターバックスコーヒー-財務1

5月25日終値¥57,200


財務分析の前に株価ですが、1年間を通して、¥45,000~¥60,000に収まっています。これは昨年度の利益(1株¥1,250)をもとにしたPERで、36倍~48倍と非常に高い水準ですが、今期の1株利益は¥1,766(PER32倍)と、市場の高い期待にしっかりと応えています。







何よりも上の金額1株から購入が可能なため(5万円程度で株投資ができる)、株投資に及び腰だった若い世代を多く市場に引き込んだ功績は、計り知れません。(株主優待で1株2枚のコーヒーチケットもスタバファンを惹きつけました。)



スターバックス07年3月期の決算発表が先週(17日)ありました。


  • 売上789億円(前期比16%増)
  • 営業利益50億円(同39%増)
  • 経常利益51億円(同36%増)
  • 純利益25億円(同41%増)

上は簡単なサマリーですが、売上の順調な伸び以上に利益の伸びが大きいことが特徴です。計画的な出店戦略と共に、積極的な業務の効率化により、利益率を高めています。

効率化については短信に詳しい説明はありませんが、

「一昨年前より取り組んできた物流に関する業務プロセスの改革については、当事業年度に販売管理システムの刷新ならびに倉庫管理システムとの統合を行い、店舗から取引先まで包括的な業務プロセスの効率化を図りました。」

とあります。システムレベルでのサプライチェーンマネジメントの徹底による、業務効率化と取れますが、財務諸表分析でわかる部分があれば、抜き出していきます。

2007年5月22日火曜日

スターバックスコーヒー-ブログ

5月21日終値¥54,800


スターバックス関連のブログをいくつかの角度から分析してみます。


スターバックス社員(パートナー)の方のブログを探しているのですが、なかなかうまく見つけられません。スターバックスジャパンの店舗が07年3月期末で686店舗、正社員人数が1,797人、パート・アルバイトが13,821人、合計15,618人06年9月末)いるわけですから(ちなみに1店舗平均のパートナーの人数は22.77名、世界規模では145,000名のパートナーがいます。)、相当数のパートナーブログがあるはずです。



こちらの方は学生バイトとして、スターバックスのパートナーをされていたようです。



「今までミスドとモスでバイトしてきたんだけど、スタバが一番やり甲斐を感じられて従業員が働きやすい環境にあったと・・・」

「その違いは…従業員育成の体制です!勉強会みたいのがあって始めはめんどくさいとか思ってたんだけど・・・」


たかい満足度です。教育されていた従業員として、(バイトなのに)しっかり満足してその教育を受けられていたことがわかります。



こちらの方はやはり学生バイトとして、現在も働いておられます。



「アルバムは、パートナー一人一人の写真と四年生一人一人へのメッセージ・・・」


スタッフ同士が「パートナー」、と実際に呼び合っていることがわかります。


「タンブラーはクリエイトタンブラーを使用・・・」


大学を卒業し、パートナーも卒業される方へ、タンブラーをプレゼントしたようです。こんなものも(オリジナルタンブラー)やってるんですね。



いろいろ見ていると、わかるのが、スターバックスでのバイトは学生(特に大学生)の人気バイトであるようです。人気があるだけに学生の中では質の高い人材を集めていることが見てとれます。しかし、学生は卒業したらやめてしまうので、従業員満足度が高くても、定着率の向上にはつながらない、という問題があります。


その点、本場アメリカでは、社会人として、(大学を卒業した後も)パートナーとして胸をはって働いておられる方々も多く、今後いかに日本的就業慣習を打ち破って、社会人パートナーを集めるか、というのは課題になってくるでしょう。


2007年5月19日土曜日

スターバックスコーヒー-CSR

5月18日終値¥54,100



17日にスターバックスコーヒージャパンの06年3月期決算発表がありました。

大方予想通り、売上、利益共に順調に伸ばしています。


  • 売上高 789億円

  • 当期純利益 25億円

  • 既存店前年比 105.6%

今期(07年3月期)も800億円を大きく超える予想をしており、さらなる成長が期待されます。
また財務分析で詳しく見ていきます。





スターバックスを言えば、その人事戦略と共に、CSR(企業としての社会的活動)への積極的な取り組みも有名です。(人事戦略もCSRの一環と言えますが)



スターバックスはCSRアニュアルレポートを公開しています。またHP上でも、要約したものをわかりやすく説明してあります。



中でもC.A.F.Eプラクティスと呼ぶ、コーヒー農家との積極的な結びつきが注目されます。



コーヒー生産者は、アフリカや中南米などの発展途上国に多いのが特徴です。さらにコーヒー豆の価格は市場取引によって、大きく変動するため、コーヒー農家の収入源は不安定になりがちです。また、規模の生産性が働くため大規模農家が、大型機具を導入し、労働者を安価に雇用することで、大量生産をすることで豆の価格をさらに下げ、中小規模のコーヒー農家を苦しめている、という現状もあります。



そこでスターバックスは、CAFEプラクティスにより、28の基準(品質管理体制、環境保護姿勢、児童労働者の状況など)を儲け、基準を満たした質の高い中小規模の農家と契約し、取引をする、という独特の手法を取り入れています。



具体的には、グローバルデータ(世界全体の資料)でスターバックスは06年に2億9400万ポンドのコーヒーを仕入れていますが、その中の1億5,500万ポンド(52.7%)と半分以上をこのCAFEプラクティス契約農家から仕入れています。


そして06年の世界のコーヒーの取引平均価格が1.04ドル/ポンドなのですが、スターバックスの取引の平均価格は1.42ドル/ポンドと市場価格より40%近く高くなっています。(この平均価格はスターバックスの取引全体のものなのでCAFEプラクティス契約農家との取引価格はさらに高くなっているはずです)


これらの取り組みは単に品質の高いものを仕入れるというだけでなく、サプライチェーンの入り口の生産者と積極的に関わり、生産者に(良いものを作っているという)誇りを与えること で、さらなる品質の向上と、コーヒー生産国の生活レベルの向上を目指しているものであると、考えます。

そして、その誇りはコーヒー豆の肥料となり、良質のおいしいコーヒーを飲むことができる顧客に還元され、さらにはその顧客満足がスタッフの満足につながり、利益をあげることで最終的には投資家にも還元されていきます。


ちなみにスターバックスはグローバルレベルで06年に3,610万ドル(約43億円)の寄付を行っています。(コーヒー農家に関するもので270万ドル

2007年5月16日水曜日

スターバックスコーヒー-人事戦略

5月16日終値¥52,100

スターバックスはその人事戦略において、強い特徴があり、またその人事戦略こそが企業としての大きな強みとして現在までの継続的な成長に寄与してきたと見て良いでしょう。

なぜスターバックスのような飲食業において人事戦略が重要なのか。

それはやはり、優秀な人材確保の困難性でしょう。どうしても「喫茶店の店員」、「バイト」、または「フリーター」のような見られ方、レッテルを世間から貼られてしまいがちです。そのため、まず優秀なスタッフ(アルバイト、パートを含む)の獲得が難しく、またせっかく入社したスタッフも定着率が低くなりがちな業種特性があります。

スターバックスではアルバイト、パートを含むすべての従業員をパートナーと呼び、人材の評価、働きやすい職場環境、福利厚生の充実 等において特に気を配っています。また顧客に対しては、バリスタと呼び、コーヒーのエキスパートとして接しています。

まず具体的には、アルバイト(多店舗展開の飲食業において、店舗スタッフの多くを非正規雇用で確保することは避けられない)の時給1、250~1、688円業界平均(1、047円)を上回っています。

またアルバイト、パートも含むすべてのパートナーにストックオプションを与え、すべてのスタッフが企業全体の成長に、志を共にする仕組みは世界的にも有名です。



従業員を尊重し、正しく対応する」

というモットーは人事コンサルティングなどでも、しばしば模範にされています。

その取り組みは、

  • (人事上の問題が生じたときは)2週間以内に、しかるべき管理職が問題を提示したパートナーと話し合う
  • パートナーから出されたアイデアは、たとえそのパートナーがアルバイトであっても積極的に耳を傾け、優れた内容であれば新メニューの開発などにためらいなく反映させていく
  • 2年に一度の世界中のパートナーへの意見調査と積極的なフィードバックをする

などのように数多くのソフト対応にも現れています。

すべてこれらの人事戦略は

世界中で働くすべてのスタッフ(パートナー)にスターバックスで働く、という誇りを与え、スタッフ一体となって良い企業を作るため

であると考えます。

またスターバックスの人事戦略については、実質的な創業者であるハワード・シュルツ氏の有名な著書に詳しく書かれています。

2007年5月13日日曜日

スターバックスコーヒー-商品戦略2

5月11日終値 ¥53,900

スターバックスの商品戦略は、まさにミッションステイトメントに謳っている多様性に富んでいると言えるでしょう。

まずは本日のコーヒー(coffee of the day)
と銘打って、ブレンドを日替わりにして提供しているところです。これは現在では多くのカフェでこの形を取り入れていますが、スターバックスが現れる前には「ブレンドコーヒー」として、店舗のオリジナルブレンドでありながら、基本的には毎日同じブレンドというのが一般的でした。

さらにはカスタマイズと飲食業とは思えないインパクトのある取り組みもしています。
これはコーヒーにエスプレッソのショットを加えて濃度を調整(?)したり、各種ミルク(低脂肪や無脂肪、豆乳、クリームなど)やシロップなども多様なセレクトでテイスト調整をできる仕組みを取り入れています。

コンディメントバーと呼ぶテーブルで自らミルク等を加えるシステムは当初はびっくりさせられたものです。しかし、顧客にテイストを調整させることで一人一人違う味のコーヒーを提供する。それはまさに現代の多様性の時代にフィットし、スターバックスブームを巻き起こした要因の一つと言えます。


スターバックスの売上構成を見ると、
06年3月期で、
  • ビバレッジ 73.5%(約500億円)
  • ペストリー 17.0%
  • コーヒー豆 4.3%
  • コーヒー器具 4.5%

と、その売上の大部分をビバレッジ(飲料)で稼いでいることがわかります。ドトールコーヒーは売上構成を決算資料で好評していませんが、コーヒーの価格や、レストランなどもグループとして経営していることを考えると、飲料の売上比率はスターバックスと比較してもかなり低いと予想できます。

飲料だけで500億円を稼ぎ出すスターバックスは最強の水商売企業と言えます。

水商売、というのは飲料と共に雰囲気や付加サービスを提供し、高い利益率を稼ぎ出すという意味です。スターバックスの粗利益率は71.1%(ドトールの49.7%)とまさに驚異的です。

一方ビバレッジをコア商品として利益を稼いでいるため、ペストリー(サンドイッチやケーキ)メニューの価格は比較的低く抑えています。(ドトールなどの食事メニューとあまり変わらない)これはドトールコーヒーがコーヒーの価格を低く抑えることで集客し、食事メニューで利益をあげているビジネスモデルと対象的で面白いところです。

2007年5月10日木曜日

スターバックスコーヒー-商品戦略1

5月10日終値  ¥54,400


スターバックスの商品戦略について分析する。

分析については主に、国産カフェの雄、ドトールコーヒーを比較対象にしていこうと思う。

ここで個人的に驚いたのがスターバックス(06年3月期:679億円)は企業としての売上規模で、既にドトール(同638億円)を追い抜いてしまっていたことである



これはドトールが各種の直営店300店舗と、その他はFC展開による卸事業で店舗網を広げている(07年3月期:全1470店舗)のに対し、スターバックスは639店舗(06年9月)の殆どを、直営店展開しているため、売上がそのまま計上できるという違いがあるものの、62年創業で40年以上の歴史がある国内ブランドを、96年に一号店を出したアメリカのカフェが10年足らずで(売上を)抜き去ってしまったというのは、日本人としては少し複雑な気分です。




商品戦略ですが、


基本であるホットコーヒーですが、
スターバックス本日のコーヒーと呼んでいるもの、

これがショートで280円(昨年11月に260円から20円値上げ)



基本的にはドリンクではこの本日のコーヒーのショートが最低料金、その他のドリンクは300円台のラインが多く、フラペチーノ(氷などとミックスし、クリームなどを加えたスターバックスオリジナルヒット商品)等ではトールサイズで440円からとなっている。サイズの大きなものでは500円を超えるビバレッジメニューもある。

対するドトールコーヒーだが、

基本のブレンドコーヒーがスモールで180円

と、スターバックスとは100円の開きがある
その他のドリンクも大体200円台から300円台に納まり、カラメルプリンラテやフレッシュオレンジジュースがスモールで300円というところが最も高い商品ラインである。

ちなみにドトールは「100円台のおいしいコーヒー」というコンセプトを長く続けており、現代の物価ではいささか苦しくなってきてはいるものの消費者としてはうれしい限りであり、応援したい。

2007年5月6日日曜日

スターバックスコーヒー-経営戦略

5月7日終値 ¥54,500

まず始めにミッション宣言としてHPに公開されているスターバックスコーヒーの企業理念を見てみました。(これはstarbuckscoffee本体のMission Statementのほぼ直訳と言ってよいと思います。)

お互いに尊敬と威厳をもって接し、働きやすい環境をつくる
・事業運営上での不可欠な要素として多様性を受け入れる
・コーヒーの調達や焙煎、新鮮なコーヒーの販売において、 常に最高級のレベルを目指す
・顧客が心から満足するサービスを常に提供する
・地域社会や環境保護に積極的に貢献する
・将来の繁栄には利益性が不可欠であることを認識する

これは要約するならば、

  1. 快適な職場環境
  2. 脱マニュアル主義
  3. 高品質な商品の提供(サプライチェーンの一括管理体制)
  4. 顧客満足
  5. 地域密着、環境志向(CSR)
  6. 利益追求

一番最初の項に、職場環境が来ているところが、(パートを含めた)社員を大切にする企業文化が良く現れています。あとは5のCSRですが、ウェブページを一通り見ただけでもスターバックスがいかにCSR(企業の社会的責任:企業活動により社会をよりよくする取り組み)に力を入れているかがわかります。

続いて、HPのスピリットのページですが、

こちらのページで繰り返している、

「おいしいコーヒーだけではなく、バリスタのもてなし、そして居心地のいい空間」

この文章がスターバックスの事業ドメインをうまく表現しています。言い換えると

  1. 高品質のコーヒー(とその関連商品)を、
  2. 高品質のサービス体制で、(高品質なスタッフにより)
  3. 高品質な雰囲気と共に提供する。

ということになります。スターバックスは高品質なコーヒーの提供のために、豆の買い付け段階から、徹底的にこだわった品質管理をしていますが、(標高900M~1500Mの高地産の豆に限定して、カッピングと呼ぶテイスティングはシアトル本社での一括管理、最低3回のカッピングを合格した豆のみを買い付ける等)独特なのは店舗の雰囲気です。大きなソファがあったり、高級家庭のリビングのような店内に当初びっくりしたものです。

これをスターバックスでは、サードプレイスと呼んでいます。

家庭でも職場でも学校でもない3番目の場所、「サードプレイス」に、世界中の人々がひきつけられたのです。

2007年5月3日木曜日

スターバックスコーヒー


5月2日終値 ¥54,500



今月は、「良い企業としてスターバックスコーヒーを取り上げます。

スターバックスコーヒーは、アメリカでは71年の創業、日本に入ってきたのは90年代と、比較的新しい会社です。

売上は日本では07年3月期で700億円を超え、グローバルでは1兆円に届こうか(78億ドル)、というところまで伸びてきています。

良質な商品ともに店舗内での雰囲気も販売する、というビジネスモデルもまさに新しく、見るべきところも多い企業です。

特に人事戦略に、特徴があるようです。


スターバックスコーヒージャパン
STARBUCKSCOFFEE