8月30日終値$53.40
Coca Cola の株主重視の姿勢は、日本的に見ると行き過ぎのようにも見える。
稼いだキャッシュの90%近くを配当と、自社株買いという形で株主還元しているのである。
裏返せば、成長投資に回す資金が少なすぎるとも言える。
しかし、Coca Cola の武器はなんと言ってもその巨大なるBrand Value (ブランド価値)と、non alcoholic bevarage としてのドメインを120年の歴史の中で、頑なまでに守り続けてきた保守性である。大金を投じて拡大戦略を取るような必要性もなければ、企業としてのベクトルもそこにはない、と言える。
ちなみにCoca Cola は80年代(1982)に一度、Columbia Pictures とColumbia Pictures Television
という映画とテレビの2つの巨大メディア企業を買収している。しかしたったの7年でその株を日本のソニーに売り渡しており、拡大戦略には苦い過去もある。
また、日本では個人も企業もお金を(時には意味もなく)貯め込む習性があるのに対して、アメリカでは個人も企業も(時には過剰に)気前良く使う、そして使わないのなら世話になっている人(株主)にお返ししてイメージを上げる、という習性がある。(貯め込んだ場合の)市場での被買収リスクも日本に比べても格段に大きいこともある。
今後のCoca Cola に求めることとしては、
ゴミ箱投資なんてどうだろう?
Coca Cola は言うまでもなく社会性の高い企業である。スポーツ投資を始め、社会貢献活動も多く行っている。また途上国を始めとする、世界中の国々に拠点があり、日本ではコンビ二もないような過疎地に多くの自動販売機を持つ。このような特性を活かして、世界中のいたるところ、特に途上国や、先進国でも田舎町にゴミ箱を設置する。ゴミ箱は、当然Cokeをかたどったクールな、それでいて道行く車からも目につくような巨大なものにすれば、宣伝効果はあるはずである。ゴミ箱設置だけでなく、ゴミ回収もしなくてはならないが、これは地元自治体などと話し合った上で、(社会性を理解してもらい)協力して行っていくことが望ましいだろう。
最後に、Cokeが何故これほどまでに(特にアメリカで)BIGになったのか?
こんなエピソードがある。
When the United States entered World War II, The Coca-Cola Company began providing free drinks for soldiers of the United States Army.
第二次世界大戦中、Coca Cola Co.は戦士達に無料でCoke を振舞った。
The popularity of the drink exploded as American soldiers returned home from the war with a taste for the drink.
大戦が終わると戦士達はそのCoke のテイストとともに帰国し、そしてCoke の人気が爆発した。
日本人には少々複雑なエピソードだが、企業のあるべき姿、そして企業がその(社会的)役目を果たしたとき、それはBrandという形で利益を運んで返ってくる。Coke が今から100年後も、そのクールな赤いロゴとともに人々の心を潤わせている姿が目に浮かぶ。
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