2007年8月30日木曜日

Coca Cola Co.-財務

8月29日終値$53.51

財務分析といっても、これほど大きな企業ともなれば財務諸表から目に見える欠点や問題は通例見られない。Coca Cola も例に漏れず、非常に健全な財務内容である。

その中で特徴を挙げると、株主重視の姿勢であろう。

Coca Cola は 06年のNET CASH PROVIDED BY OPERATING ACTIVITIES (営業活動によるキャッシュフロー)は$5,957million(6,910億円、1ドル116円換算)である。そして、そのうち配当に回した資金が、$2,911million(3,377億円、同)と配当性向はまさに48.9%と企業としての利益の半分近くを配当として株主に還元している。

さらに注目すべきは Coca Cola の Share repurchase activity (自社株買い活動)である。自社株買いは市場に出回る株数を減らし、一株あたりの価値を向上させることから、間接的に株主還元の行為となる。また、企業としても戦略的に自社株の流通をコントロールすることで、買収者を牽制するなど様々な効果があるため、昨今大企業の間では盛んに行われている。Coca Cola は06年にこの自社株買いを$2,474million (2870億円、同)も行っている。

Coca Cola は Annual report に公表している02年からの4年間で、Net operating revenues (売上)、Operating income (営業利益)、Net income (純利益)とほぼ全ての主要財務項目でプラス成長を遂げている(02から03年の営業利益のみ減少している)。しかしその一方で、Average shares outstanding (市場流通株式数)は一貫して減らしているのである。これは上の Share repurchase activety を盛んに行っている証拠であり、利益を成長させるのみでなく、自社株を減らすことによって、両面から一株あたりの利益を向上させ、株主に還元している。


Net Operating Revenues(in millions)
2004$21,742
2005$23,104
2006$24,088


Operating Income(in millions)
2004$5,698
2005$6,085
2006$6,308


Share Repurchases(in millions)
2004$1,754
2005$2,019
2006$2,474

Dividends Per Share
2004$1.00
2005$1.12
2006$1.24

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