7月31日現在株価¥685
電気工事業という業界は、通常大手電気会社や鉄道会社などの下請け企業として発展してきている例が多い。どちらの系統も今でこそ民間公開企業となっているが、その起源は公共であり、また事業そのものも非常に公共的特性が強い。要するに、その下請け電気工事業もそれらの公共事業を糧としているため、(高度経済成長期は)安定した受注を得ることができたが、その見返りとして親企業(または公共団体)との強い主従関係にあったことが想定できる。
その点サンテックは企業としての歴史は長いものの(1937年創業)、独立系として発展してきており、しがらみのなさが大きな強みと言える。
19年3月期単体で売上295.7億円、内訳が官公庁(公共事業)から28.2億円で9.5%、電力会社から35.7億円で12%なのに対し、民間会社から231.8億で78.4%と圧倒的な受注を誇っている。(http://ir.eol.co.jp/ASP/1960?task=download&download_category=yuho&id=1026636&a=b.pdf)
(公共や電力会社との)しがらみのなさ、という強みを何に活かすことができるのか、または活かしているのか。
それこそがサンテックが勧めている環境事業ではないか。
サンテックは主な環境事業として太陽光発電や、ESCO事業を行っている。大手電力会社は言うまでもなく電力を売ることが商売であり、電力会社とのしがらみがあると中々ESCO(なるべく電気料金を下げるためのコンサルティング)のような事業は行いにくいし、既存の電気インフラを利用することがより効率的であるため太陽光発電設備工事もあまり歓迎されないことが想定できる。
近年建設業界は電気工事業に限らず苦しい市場環境であり、今後も(国内での都市インフラはほぼ整備されているため)展望は明るくない。その中でサンテックは積極的に海外(アジア)に乗り出し、また「環境」をキーワードに新しい領域をたくましく切り開こうとしている。
ちなみにその厳しい市場環境の中でサンテックは新卒採用を近年大幅に増やしている。
採用数
平成15年4月入社 1名
平成16年4月入社 1名
平成17年4月入社 2名
平成18年4月入社 10名
平成19年4月入社予定 14名
今後さらなる新しい戦略、展望を抱いていることが、この新卒採用数(サンテックは中途採用も行っている)の推移に明確に現れている。
サンテックから学べることは、(高度経済成長期を終えた)今後の企業経営にはやはり社会性が求められること、そしてサンテックは「(地球)環境」に目を向けることで社会に貢献しようとしていることである。
今後サンテックに期待することとして、昨今原油価格の上昇も天井が見えないエネルギー市場でサンテックには強みである、太陽光発電の更なる品質向上、普及(余剰金も多くテレビCMなどしても良いのでは)に努めてもらいたい。
サンテックが保守的なイメージの強い建設業界のなかで、強く生き残り、新しい時代に対応してさらに輝き続けることを期待する。
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