今月は財務分析から入っていく。理由は企業規模が比較的小規模であるため、財務面に存在する課題が企業の継続性に大きく影響してくる場合があることと、またいろいろな順番で分析する形を模索していることからである。
どちらにしても、企業を分析する上でまず、財務諸表に目を通さなくてはならないことには変わりはない。
上は財務データ(収益性)のハイライトであるが、特徴としては年度ごとの変動が大きいことである。特に利益面において変動が激しく、年度によっては(15年度、17年度)赤字に陥っている。また、19年度の最終利益が5.5億円あるにも関わらず、営業キャッシュフローは20億円あまりのマイナスである。
これは一つは建設業における業界特性とも言える。 まず案件ごとの単価が大きいため、工事の完成が多い年度とそうでない年度に差が出てくる。工事進行基準による売上計上により(売上を)平準化することはある程度可能であるが、資材や人件費(外注費)などの費用が先行するためどうしても利益やキャッシュフローに影響が出てくる。
これらの変動やキャッシュフローの遅れに耐え切れず中小建設業ではしばしば倒産が起きるわけだが、サンテックは自己資本の増強によってこのリスクを管理している、といって良い。
サンテックの純資産は19年3月末で312.8億円、自己資本比率が68.4%と非常に高い安産生を確保している。しかも純資産額のうち約80億円(25.8%)を現金として保有している。
これらの資金の多くを株式市場から調達しているため、2.3億円(配当性向約42%)もの多額の配当を実施していることも資本政策上大きな特徴である。
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