2007年8月31日金曜日
Coca Cola Co.-まとめ
2007年8月30日木曜日
Coca Cola Co.-財務
財務分析といっても、これほど大きな企業ともなれば財務諸表から目に見える欠点や問題は通例見られない。Coca Cola も例に漏れず、非常に健全な財務内容である。
その中で特徴を挙げると、株主重視の姿勢であろう。
Coca Cola は 06年のNET CASH PROVIDED BY OPERATING ACTIVITIES (営業活動によるキャッシュフロー)は$5,957million(6,910億円、1ドル116円換算)である。そして、そのうち配当に回した資金が、$2,911million(3,377億円、同)と配当性向はまさに48.9%と企業としての利益の半分近くを配当として株主に還元している。
さらに注目すべきは Coca Cola の Share repurchase activity (自社株買い活動)である。自社株買いは市場に出回る株数を減らし、一株あたりの価値を向上させることから、間接的に株主還元の行為となる。また、企業としても戦略的に自社株の流通をコントロールすることで、買収者を牽制するなど様々な効果があるため、昨今大企業の間では盛んに行われている。Coca Cola は06年にこの自社株買いを$2,474million (2870億円、同)も行っている。
Coca Cola は Annual report に公表している02年からの4年間で、Net operating revenues (売上)、Operating income (営業利益)、Net income (純利益)とほぼ全ての主要財務項目でプラス成長を遂げている(02から03年の営業利益のみ減少している)。しかしその一方で、Average shares outstanding (市場流通株式数)は一貫して減らしているのである。これは上の Share repurchase activety を盛んに行っている証拠であり、利益を成長させるのみでなく、自社株を減らすことによって、両面から一株あたりの利益を向上させ、株主に還元している。
Net Operating Revenues(in millions)
2004$21,742
2005$23,104
2006$24,088
Operating Income(in millions)
2004$5,698
2005$6,085
2006$6,308
Share Repurchases(in millions)
2004$1,754
2005$2,019
2006$2,474
Dividends Per Share
2004$1.00
2005$1.12
2006$1.24
2007年8月24日金曜日
Coca Cola Co.-ブログ
2007年8月15日水曜日
Coca Cola Co.-Brands (ブランド戦略)
2007年8月12日日曜日
Coca Cola Co.-Competitive Advantage (強み)
Coca Cola 程の大規模な会社となると、「経営戦略」というくくりではあまりにも広くなってしまって、ありきたりになってしまいがちである。よって今回は Chairman's Letter から Competitive Advantage (強み)を抜き出してみた。
以下本文そのものをコピーして分析してみる。
Retaining our competitive edge requires an intense, unrelenting focus on what our Company is all about—beverages. More than 1.4 billion servings of our products are enjoyed every day—nearly a million servings every minute. For 120 years, beverages have been our business, and we remain focused on being the strongest nonalcoholic beverage company in the world. With four of the world's top five nonalcoholic sparkling brands, our leadership position is clear. And it has given us the expertise to lead in several other beverage categories: Worldwide, we are No. 1 in sales of juice and juice drinks; No. 1 in sales of ready-to-drink coffees and teas; No. 2 in sales of sports drinks; and No. 3 in sales of water.
120年という長期の歴史の中で beverage business にフォーカスしてきた。その beverage の中でも nonalcoholic (ノンアルコール)の分野に特化してきた、ということを強調している。一見儲かりそうなアルコール(ビールなど)に手を出さずに、ドメインを頑なに守り続けてきた、という自負が感じられる。
その結果 nonalcohllic sparkling beverage では世界の5大ブランドの中の4つを占め( Coca-Cola, Diet Coke, Sprite and Fanta... 残りの一つは言うまでもなく pepsi であろう。しかしどのような基準でこのトップ5を定義しているのかは不明・・・Coke と Diet Cokeを分けているし、Fanta のシェアはそれほど高くないと思われる。 )
The geographic diversity of our Company gives us balance. As a general rule, when some markets are down, other markets are up. We are able to grow our unit case volume in spite of challenging markets. What did this mean in 2006? A year of flat unit case volume growth in North America and declining unit case volume in the Philippines was balanced by double-digit unit case volume growth in other markets, including 10 percent in Argentina, 15 percent in China, 26 percent in Russia and 10 percent in Turkey. We will continue to focus on these and other strong markets, such as Brazil, Mexico and Spain, while we implement customized plans for stabilization and growth in underperforming markets.
ここではグローバル展開の強みを強調している。例として、アメリカでの成長はもうそれほど大きくないが、アルゼンチン(10%)や中国(15%)、ロシア(26%)などの成長がそれをカバーして余りある。要するに Coke ほどのグローバル展開をしていると、どこかの市場が沈めば、どこかの市場が上がる、という具合にリスクを回避してさらに成長へ向かうという戦略が描ける、ということであろう。
Our opportunities for growth are significant. Even in developed markets, only 62 percent of beverages consumed are nonalcoholic ready-to-drink. And in developing and emerging markets—places like China and India with fast-growing populations and ever-increasing spending power—just 40 percent of all beverages consumed are nonalcoholic ready-to-drink. We are capturing these tremendous opportunities by focusing on providing ready-to-drink beverages that honor local cultures, preferences and tastes.
ここではさらに ready-to-drink (おそらく缶飲料などの製品化されてスーパーなどで売られているものを指している、と思われる) に特化しそこでの強みを発揮することで、(遠まわしに)社会貢献をしていきたい、ということを述べているのでは。
とにかくドメインを絞り、そのドメインに(規模を活かして)投資を集中し、他社を引き離していく、という戦略であろう(やはりありきたりだが・・・)。しかし nonalcoholic beverage の市場をこれほど拡大させたのは Coke である、といっても異論はないであろう。
2007年8月9日木曜日
Coca Cola Co.-Mission(経営理念)
前回の投稿で抜けていたmarket cap.(時価総額)は
129.24billion(15.25兆円)
である。この数字は普通に見てかなり高額であると言って良いであろう。米国の市場で20番目、日本の市場に当てはめるとトヨタと三菱UFJについで3番目に入ってくる水準である。
Coca Cola CoのMission(経営理念)だが、
- To Refresh the World
- To Inspire Moments of Optimism
- To Create Value and Make a Difference
の3つが挙げられている。要するに
「世界を(世界中の人々を)活気付けて、楽しい一時を与え、何か新しいものを作って行こうぜ!」
という感じであろうか。特に
refresh the world
というのは企業として最も大きなMissionのようである(パッケージにも「refreshing & uplifting」と書かれている)。Cokeは今でこそ当たり前に存在する、スタンダードなドリンクだが、しかし今でもそのテイストは他のドリンクと比べると明らかに異種のものである。それに私達は慣れてしまっているが、当初市場に表れた頃は驚きのドリンクだったことだろう。
「人々に驚きを与えたい」
そして幸せを提供したい、という意味が込められているのではないだろうか。色の驚き、テイストの驚き、のどごしの驚き、私達が今当たり前として捉えているCokeをまた新鮮に見つめなおすと、いろいろな驚きが見えてくる。そして、驚きこそが生活に刺激を与え、そして喜びとなる、ということであろうか。
さらにVisionとして、
- Profit
- People
- Portfolio
- Partners
- Planet
の5つのPが挙げられている。
Valueとして
Leadership: "The courage to shape a better future"
Passion: "Committed in heart and mind"
Integrity: "Be real"
Accountability: "If it is to be, it’s up to me"
Collaboration: "Leverage collective genius"
Innovation: "Seek, imagine, create, delight"
Quality: "What we do, we do well"
の7つが挙げられている。特にInnovetionのところの
「Seek, imagine, create, delight(探せ、考えろ、創造しろ、楽しめ!)」
というキャッチはクールで個人的に気に入った。