2009年1月29日木曜日

キヤノン(08年12月期決算)

キヤノンが08年12月期の決算を発表した。

売上 4兆942億円
営業利益 4961億円
純利益 3091億円

売上利益ともに前期より落ち込み、9期ぶりの減収減益となった。
また売上の減少幅は8.6%、最終利益は36.7%のマイナスである。

最も大きな減益要因は円高で、CFの為替変動影響額に1319億円計上している。手持ち資金は2653億円減少して6792億円となっている。

急激な需要減少のなかで、在庫仕掛品の増加はほとんど見られない。

来期の予想は、

売上 3兆5000億円
営業利益 1600億円
純利益 980億円

と売上で14.5%、最終利益で68.3%の大幅減を見込んでいる。

株価は材料出尽くしからか朝から大きく変われ一時2755円をつけたが、午後には急激に下げて2605円で取引を終えている。

またキヤノンの事業構成は

事務機(プリンターなど) 65%
カメラ 25%
光学機器その他 10%(海外売上比率は79%、欧州が33%で最大市場)

となっている。

豊富な手持ち資金と人材を活用した新規事業が期待されるが、決算資料には具体的記述はない。

ノートパソコンくらいの大きさで、持ち運び可能なプリンターと一体化したPCを実用化できたら需要は大きいのでは。

2009年1月23日金曜日

ぐるなび(1月22日朝刊より)

飲食店情報サイトのぐるなびが日経13面の「点検この中小型株」に掲載された。

ぐるなびの連結業績は08年まで順調に成長し(07年の減益を挟む)、09年3月期の予想は

売上 200億円弱
純利益 20億円強

となっている(棒グラフからの読み取りで詳細金額不明)。

記事ではぐるなびの事業モデルを「コンビニ流」と称している。

「コンビニ流」とは、全国の有料会員加盟店からの会費収入が売上の柱(7割強)となっていることを指しているようだ。

主にサイト上の広告で稼ぐ事業モデルのネット企業より、フランチャイジーからの加盟金やロイヤルティを収入の柱とするコンビニに近い、ということだろう。

売上高利益率(10%強)や従業員一人あたり売上高(約1700万円)は他のネット企業に比べて低い。しかし根をしっかりはっているため、成長性の信頼度、堅実度は高く、昨年の金融危機の中株価は10%以上上げている。

現在検索可能飲食店は約50万店、そのうち課金している加盟店が46247店(08年9月)、この加盟店の平均単価は年々上昇し現在9万円程度となっている。

加盟店や平均単価が増えているのは、ぐるなびの提供するサービスの効果が証明されていることを裏付けている。未だ加盟していない飲食店も多く、成長可能性は高い。

気になるのは、加盟飲食店を開拓する営業社員は400名と少なく、今後コンサルティングや新店舗開発支援など事業を拡大していくためには歩合による外部営業員を雇うのも面白い。

その際にぐるなびが外部営業員の資格試験を行うことで話題性を喚起できる。

同じ飲食店を好む客同志がネット上で交流を深めるSNSなども提案したい。

2009年1月22日木曜日

フェリシモ(日経新聞記事より)

先日触れた神戸のネット通販会社フェリシモの販売するチョコレートが話題になっている。

米フラン社の
「フラン ソフトキャラメル」

20日に就任したアメリカの新大統領、バラク・オバマ氏の好物と米メディアに報じられている。

この記事が日本の朝刊に載った22日、第3四半期決算発表から下げ続けたフェリシモ株はやや反発、1800円に僅かに届かない水準。

一過性とも言える、このような要因がどのように企業業績や株価に影響するのか注目したい。

知名度の向上効果は一過性にとどまらないだろうし、来月のバレンタインデーに向けて絶妙のタイミングではある。

2009年1月16日金曜日

ドトール日レスHD(第3四半期)

ドトール日レスの第3四半期の決算が昨日(15日)発表された。


第3四半期
売上 792.1億円
営業利益 72.8億円
経常利益 75.7億円
純利益 48.5億円

となっている。前期比で売上微増、営業、経常利益がややマイナスである。

四半期決算とともに2月期通期の業績予測を引き下げた。

2月期通期予想
売上 1045.0億円
営業利益 97.8億円
経常利益 101.6億円
純利益 56.2億円

昨年10月15日に公表した各利益を10%余り下げ、営業、経常利益については前期比マイナスとなる。

最終利益は10億円の特別損失を見込んだ上で3%の増益となる見通し。

業績の下方修正を受けて、市場では大きく売られ、16日は1500円を挟んだ取引となった。


短信の定性情報によるとコーヒー事業の既存店売上は前年を上回り堅調だったものの、レストラン事業が伸び悩んでいるとのこと。しかし各事業の内訳情報が公表されていないので詳細は不明。

引き続き財務状態は健全で153億円の現金を保有するが、CFは公表されていない。

不況により、アメリカでは高価格のスターバックスから客足が離れている、とのことだが日本でも同じ現象が起きると予想される。円高やコーヒー豆価格の低下も好機である。

ドトールはこれを機会に、小規模なコーヒースタンドなどの出店によりスターバックスとの差別化を図る戦略が効果的ではないか。屋台やワゴン車による販売も面白い。

またコンビニチェーンなどと連携し、コンビニでドリップコーヒーを提供するアイデアも新事業として提案したい。

日レスのレストラン事業はいくつかの新店舗業態の開発をしている。小麦価格の下落は好機であり、トリドールがうどん事業で成功していることもあり、うどん事業への進出も選択肢に入れてもよいのではないか。和風パスタの店で成功したように、今度は洋風うどん店を開発するのも良い。

合併から2年目、現在は組織の混乱期であろう。業績もやや低迷しており、組織面では正念場と言える。両社の絡んだプロジェクトチームによる新規事業でモチベーションを高めるなど、経営陣によるリーダーシップが試される時期である。

2009年1月13日火曜日

フェリシモ(21年2月期第3四半期)

フェリシモの第3四半期決算(9日発表)より

売上 398.6億円
営業利益 21.9億円
経常利益 22.9億円
純利益 11.9億円

となっている。売上はほぼ前期並み、営業と最終利益はそれぞれ30%、26%の大幅増となっている。
しかし2月期通期の業績予測を引き下げて


売上 544.1億円
営業利益 34.4億円
経常利益 36.1億円
純利益 19.0億円

通期だと売上は微減だが、利益面で逆に前期をやや下回り、最終利益で11.6%の減少の見通しである。

理由は恐らく金融危機から生じた不況により年末商戦が不調に終わったことだろう。株式市場では成長性を懸念され株価を下げている。

まず年末商戦の不調について、個人的にはユニクロ要因が影響しているのでは、と見ている。昨年秋からのユニクロの売上増加はブームとも言えるもので、顧客層のかぶるフェリシモとしては売上微減に抑えたのは優秀ではないか、と見ている。

また昨年同期に比べて11月30日時点の在庫量が控え目なのは年末の不調を予測していた高度な需要予測、と見られる。

強みは
1.潤沢な手元資金

第3四半期末で約100億円の現金を保有し、その他現金同等物を含めて133億円。通期予想売上比で24.4%。金融危機による投資損の打撃が少ない。有利子負債はほぼゼロ、財務美人である。

2.全国的知名度はまだ低い

これは強みと捉えている。今後知名度の高まりとともに、徐々に業績を伸ばすだろう。

資金が豊富、急速な成長を目指さない、余裕ある経営である。

現在はほぼネット通販専業だが、資金力を活かし、地域を限定するなど(例:地元神戸にアンテナ的中規模店)して実店舗展開も一つの戦略ではないか。

2009年1月10日土曜日

極楽湯

極楽湯21年3月期の第2四半期決算タンシンをチェック

今半期の売上は43.1億円、営業利益は7百万円とかろうじて黒字。
借入金利子(半期約7千5百万)や投資評価損などが重しになり、経常(9千3百万)と最終は8千5百万の赤字。
財務状態は約10億円の現金を保有するが、各種の負債合計は約90億円に及ぶ。
キャッシュフローは減価償却(4.6億円)が大きく、投資損失も評価損にとどまるため、営業で4.5億円のプラス。
投資では固定資産の売却が大きく(6.6億円、リース資産に転換?)8千6百万のプラス。
財務では長短借入金の返済などで10.9億円のマイナス
その結果、自己資本比率は36.3%。10億円近い返済も改善は軽微。

燃料高は一服し、銭湯事業はまだ成長が期待できるものの、財務状態の苦しさが新規投資を抑制している、または今後抑制する懸念がある。
飲食の強化や革新的エネルギーの活用などでイノベーションが求められる。

2009年1月9日金曜日

2008年新車販売

長い間投稿が途絶えていたが携帯投稿で少しづつ再開していく。

今日(9日)の新聞に08年の新車販売ランキング(軽自動車含む)が掲載されている。

1.ワゴンR(軽スズキ)20.5万台
2.ムーヴ(軽ダイハツ)19.0万台
3.フィット(ホンダ)17.5万台
4.タント(軽ダイハツ)15.9万台
5.カローラ(トヨタ)14.4万台
6.ヴィッツ(トヨタ)12.3万台
7.ライフ(軽ホンダ)9.7万台
8.ミラ(軽ダイハツ)8.5万台
9.クラウン(トヨタ)7.5万台
10.プリウス(トヨタ)7.3万台


軽自動車までが苦しむ中でダイハツは3車種をうまく棲み分けし、43.5万台、8.4%売上を増加している。

トヨタについては赤字転落が話題になる中でカローラの落ち込みは軽微で、ついにプリウスがベスト10に入ってきた。来年はIQも注目される。国内は底堅い印象である。

テスト

携帯投稿テスト