2012年10月30日火曜日

ソフトバンク、日本史上最大の海外企業買収で米市場へ進出:日経ビジネスDigital

http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20121024/238561/?ST=smart&REF=ML

ソフトバンクの孫正義代表が、今回のスプリント買収の理由を「(ジョークも込めて)男だから」と表現したことについて、ボーダフォン買収前のソフトバンクを思い出した。

Yahoo!BBの契約者獲得のために、若者のバイトを使ってモデムを無料でバラまいていた、言わば「どぶ板戦略」であった。

それを思い起こすと、彼は良くも悪くも緻密に戦略を練って行動するタイプではない。

「必死にやれば何とかなるだろう」的な、古い体育会系とも言え、「男だから」という発言はイメージと怖いくらい合致する。

しかし(iPhoneの先行販売権を取ったように)彼の決断力と強運は無視できない要素であり、二つの要素は重なったときにものすごい力を産む。

元々在日韓国人の家庭の育ちで、想像を絶する逆風の中、日本で成功を勝ち取った人物である。

アメリカで彼が「男になる」ことを、根拠もなく信じ、願ってしまうのはわたしだけではないだろう。

2012年10月27日土曜日

ビール離れなのに大盛況 「ビールフェス」人気の秘密  :日本経済新聞

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2402H_U2A021C1000000/

今後の日本において、成長が期待できるのが、このイベントビジネスと見ている。

年金生活者は時間を持てあまし、ソーシャルメディアが発展している中で、若者はネット上のみでの付き合いに物足りなさを感じている。

このようなイベントはまさに、

「見知らぬ同士が一緒に 楽しめるのも大きな特徴」

であり、それらの潜在需要を満たすものである。

またイベント会場は多くの企業にとって格好のマーケティングの機会であり、イベントの規模が大きくなればなるほどに経済効果を生む。

10月でもないのに、多くのオクトーバーフェストが企画され、一定の成功を納めているのは、その黎明期の注目すべき流れだろう。

記事で紹介されているイベント企画会社「ビー・エフ・シー」は、資本金1,000万円の典型的中小企業である。

今後さらに大きな(一企業のマーケティングイベントでない)ニュートラルなイベントを創出していくためには、このビーエフシーのような、質の高いイベント企画の企業が全国に生まれコラボレーションすること。

そして、(これはイベントに限らないが)資金集めのシステムを構築することだろう。

しかしイベントを成功させるのは、人であり、アイデアである。やりがいのある仕事であることは想像に難くない。

意欲ある若者よ、イベント起業にチャンスありだ!

2012年10月24日水曜日

シニア世代を狙え

NHKラジオのニュースジャーナルで、

「シニア世代を狙え」

という趣旨のレポートがあって、いくつかデータを拾ったのでメモしておく。

現在最も多いと言われる世代

60代の人口は約1,900万人(俗に言う団塊世代は現在63-65歳で約660万人)で、20代の約1.5倍。

日本の貯蓄額は約1,500兆円と言われ、

その六割(900兆円)が60代以上の世代が持つ。

そして、その60代世代のの受けとる退職金は40-50兆円と試算され、

その半分(20-25兆円)を消費に回すと見られている。

そして、ここからは私見だが、

その巨大な資産が動き出すのが、団塊最上級生が65歳を迎える、

まさに今年(2012)から来年(2013)にかけてだろう。

2012年10月20日土曜日

マクドナルド、純利益3%減 7〜9月期  :日本経済新聞

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGN20002_Q2A021C1000000/

米国マクドナルドの2012年7-9月期決算

売上高 71億5240万ドル
純利益 14億5500万ドル

前期比3%減とはいえ、

純利益率がなんと20.3%

ライセンス販売会社の位置付けだろうが、それにしても高い数字である。

2012年10月18日木曜日

[FT]ソフトバンク、米市場攻略の勝算  :日本経済新聞

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGV16002_W2A011C1000000/

米国携帯電話市場シェア

ベライゾンワイヤレス 32%
AT&Tワイヤレス 30%
スプリントネクステル 16%
Tモバイル 10%

シェア4位のTモバイルは、同5位のメトロPCS(契約者数約960万)との合併を今月発表しており、シェアを2-3%伸ばすが、シェア順位の変更には至らない。

なお、Tモバイルは2001年に、現在のドイツテレコムがアメリカの会社を買収して生まれた会社だが、買収額は240億ドルと言われている。

当時のドルは120-130円で推移しており、日本円にすると約3兆円である。

携帯市場の成長性をどう考えるかにもよるが、現在に200億ドル、日本円で約1.5兆円の買収額は、ソフトバンクにとって安い買い物なのかもしれない。

2012年10月16日火曜日

S - SPRINT NEXTEL CORP Balance Sheet - Forbes.com

http://finapps.forbes.com/finapps/jsp/finance/compinfo/FinancialIndustrial.jsp?tkr=s&period=qtr

前回の投稿で、「純有利子負債の存在=債務超過」のようなことを書いて、コメント指摘いただきました(訂正済み)。

純有利子負債とは、一般的には実際の負債額から手元資金を差し引いたもので、負債額が総資産を上回る債務超過とは全く次元の違う話です。

スプリントの2012年6月時点(数字は四捨五入)のバランスシートを見ると、

流動資産(current assets) 116億ドル
総資産(total assets) 490億ドル
負債総額(total liability) 398億ドル

単純計算では、純資産が存在する(92億ドル)ことになります。

しかし固定資産(non current assets)の中で、最も大きな金額を示しているのが、

無形固定資産(intangibles)の221億ドル

であり、純資産の額を大きく超えています。

しかし携帯電話サービスとは、基本的に電波(形のないもの)を売るビジネスであり、この無形資産にこそ宝が隠されているのかもしれません。

2012年10月12日金曜日

SIerブログ : ソフトバンク、全米第3位の携帯電話会社の買収検討--投資額は約1兆円

http://sierblog.com/lite/archives/1670891.html

スプリントネクステルの現在の時価総額は約155億ドルで約1兆2千億円、純有利子負債がほぼ同じ額(146億ドル)ある。

しかし、純有利子負債の額が1兆円を超えるとは驚きである。

ソフトバンク、米携帯3位と5位を買収へ 2兆円超  :日本経済新聞

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD110OL_R11C12A0MM8000/

日米の携帯電話契約者数

アメリカ(万件、2012年6月末)

1.AT&T 10,520
2.ベライゾン 9,420
3.スプリント 5,600
4.Tモバイル 3,320
5.メトロPCS 930

日本(万件、2012年8月末)

1. ドコモ 6,062
2. KDDI(au) 3,588
3. ソフトバンク 3,014
4. イー・アクセス 413(2012年6月末)

今回ソフトバンクは、まずイー・アクセスの買収を決定しているため、

上の数字を足すと、3427万件とKDDIに肉薄する。

さらに今回検討しているスプリントとメトロPCSの買収が実現すると、9,957万件と1億件に迫る。

しかし大台の数字を求める買収戦略とは思えない。今後日米をまたにかけてどのようなサービス戦略を描いているのかが注目される。

イーアクセス買収で考えた「会社の売買は、社員の売買なのか」:日経ビジネスオンライン

http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20121009/237847/?P=1

イー・アクセスは、今回のソフトバンクの買収発表(10月1日)の約10日前の9月19日に楽天とWi-Fi事業の合弁会社設立を発表していた。

また最近その他の買収事例として、

【それにしても最近は企業間の買収や合併、資本提携が多い。アサヒ HDによるカルピスの買収。オンラインゲーム大手のネクソンによるグ ループスの買収。居酒屋『甘太郎』などを展開するコロワイドによる 焼き肉チェーン『牛角』を展開するレックス・ホールディングスの買 収……】

などを挙げて、最後は同じ10月1日に発表された新日鐵と住友金属の合併話に及んでいる。

2012年10月11日木曜日

トヨタ、世界で743万台リコール—単一部品の問題としては過去最大 - WSJ日本版 - jp.WSJ.com

http://jp.wsj.com/Business-Companies/Autos/node_527482/?nid=NLM20121011

【トヨタの説明によると、運転席ドアのパワーウインドースイッチの電気回路の 接点部分で潤滑剤が均一に塗られておらず、発火で焦げる可能性もあるという。 ただ、同社の広報担当者は、部品の不具合で生じた事故は一切報告されておら ず、事故防止策としてリコールに踏み切ったと述べた。

今回のリコールでは、特定の部品を1つのサプライヤーから大量に購入してコ スト削減を実現することに伴って生じるリスクが浮き彫りにされた形だ。トヨタ は問題となったスイッチについて、世界的な部品メーカー1社から調達したこと を明らかにしたが、その会社の名前は伏せた。】

無事故で740万台のリコール。

部品会社の名前を伏せる姿勢。

トヨタがトヨタらしさを世界に示したリコールではないか。